熱中症対策に“飲める氷” 「ポカリスエット アイススラリー」店頭露出を拡大 大塚製薬

「飲む点滴」をヒントに開発され、“汗の飲料”をコンセプトのもとに発売された「ポカリスエット」。運動時や風呂上がり・起床後・暑熱環境で働く現場など、あらゆる発汗シーンにおいて飲まれ続けている。

「ポカリスエット アイススラリー」は、熱中症による救急搬送者が減らないことを受けて、新しい視点で開発された製品。18年に産官学の研究もなされた。

同商品は、プレクーリング(事前に冷やす)の考えの下、深部体温に着目し開発された。活動前に摂取することで、身体を芯から冷やし、水分と電解質(イオン)も補給することができるアイススラリー状(液体の中に微細な氷の粒がたくさん混じった粘度の高い)の凍らせて摂取することができる飲料だ。

同社は常温保存の液体を凍らせてスラリー状にする独自技術を開発し、融解後、再冷凍してもスラリー状を再現することに成功した。

原康太郎マネージャー(大塚製薬)
原康太郎マネージャー(大塚製薬)

取材に応じた大塚製薬ニュートラシューティカルズ事業製品部の原康太郎ポカリスエットプロダクトマーケティングマネージャーは「ポカリスエット アイススラリー」の必要性について「発汗によって体温は下がると理解されているが、実は発汗した汗が蒸発しないと体温は下がらない。発売初年度は、暑熱環境下でも長袖や厚着の脱衣が困難な消防士や自衛隊員に向けて、その価値を伝えた」と説明する。

初年度はこのようにターゲットを絞り通販限定で販売。その結果、一般生活者からも身近な販売店での購入を求める声が多く寄せられたことから、20年5月にコンビニ、スーパー、ドラッグストアなど流通に導入を開始した。これにより、6月末には導入企業での露出が最大化する見通しになっている。

初動の販売状況については「お陰さまで『ポカリスエット アイススラリー』の販売は好調。小さいパウチ容器で持ち運びできることに加えて、スラリーという特殊形状のため食道に貼りついて落ちるときに冷たさをすごく感じる点も支持されているようだ。熱中症対策、スポーツを楽しむ方、入浴後に飲むなど、さまざまなシーンで使用する目的で、お客さまに購入していただいている」と語る。

夏場に向けては、「ポカリスエット アイススラリー」と冷えた「ポカリスエット」で熱中症対策の啓発に注力する。「今年のテーマはずばり“熱”。今年は外出自粛やマスクを着用して過ごす初めての夏なので、これまでに経験したことのない状況を経験するかもしれない。例年より一層、意識的に水分・イオン補給と熱へのアプローチを行っていく」考えだ。

熱中症対策の啓発活動では、オンライン説明会などを通じて環境省とともに熱中症対策アドバイザーを増やしていくことを推進。中学校向けには、熱中症を学ぶ教材「汗をとりもどせ!みんなで防ごう、熱中症」の無償提供を開始した。

コミュニケーションについて、今年は新しいヒロイン・汐谷友希さんを起用したブランドCMを展開している。テーマは合唱で「従来から競争のないアクティブなシーンを描くためにダンスを活用してきたが、今回もそれぞれの個性が出せるものとして合唱という表現を採用した」。

同CMはコロナ禍での新しい表現方法として注目を集めているという。引き続きNEO合唱はオーディションを行い、選定された動画を元に、この夏に新CMを公開する予定となっている。

「ポカリ、のまなきゃ。」シリーズCM第13弾
「ポカリ、のまなきゃ。」シリーズCM第13弾

6月6日には、吉田羊さんと鈴木梨央さんが登場する「ポカリ、のまなきゃ。」シリーズCMの第13弾を放映開始した。「親子の設定となっているのは、親が子どものために買ってあげるとか親子で楽しんでもらうことが最終的に『ポカリスエット』の信頼感や機能価値につながると考えたから」と述べる。

新型コロナウイルス感染拡大で、4月・5月と飲料市場が大きく落ち込み「ポカリスエット」も苦戦を強いられる中、「人に贈る(気づかう、思いやる)」といった用途でも見直されているという。

7月からは“人に贈る”流れを加速させる施策として「ポカリ、贈ってあげなきゃ」のキャッチコピーでECサイトなどにバナー広告を展開している。

サウナ公式飲料の「ポカリスエット イオンウォーター」
サウナ公式飲料の「ポカリスエット イオンウォーター」

「ポカリスエット イオンウォーター」は、引き続き“おとな”をターゲットに接点を強化。昨年、東京都サウナ・スパ協会のサウナ公式飲料に認定され、全国のサウナ施設に展開し販売を拡大。これが奏功し「19年は冷夏の中でも季節指数に左右されず購入人数が増加した」という。

下期に向けては「ポカリスエット」は冬場のニーズも高いことから、あらゆる状況に備え、生活者に寄り添うブランドとして信頼性を強化していくコミュニケーションも継続する。

今年は発売40周年を迎える年となり、「これからも生活者の皆さまに愛されるブランドに育てていきたい」と意欲をのぞかせる。