コロナと対峙する味の素AGF 需要変化で高付加価値品も照準 第2波備え万全な供給体制

新型コロナウイルスの感染が拡大し第2波も懸念されている中で、食品メーカーには感染対策と経済活動対策の両立が求められており、アクセルとブレーキを踏みながらの難しい舵取りが迫られている。秋需本番を前にコロナ禍による需要変化をどうとらえ、どう対応するかなどを味の素AGF社の品田英明社長に聞いた。

未曾有のコロナ危機により、品田社長は「今後は一層健康志向が増大する」と予測。コーヒーと健康との関連性は一見薄いとみられるが、コーヒーの健康価値をRest(休息)、Relaxation(安らぎ)、Refreshment(気分一新)それぞれの頭文字から取った3Rととらえ、「味の素AGF社らしい3Rによる健康価値を訴求する」考えだ。

外出自粛に伴う在宅勤務の増加により、「家庭用のスティックコーヒーやレギュラーコーヒー、インスタントコーヒーは、一時は3割増に跳ね上がり、今でも二ケタ増が続いている」。中でも大容量品が好調で、屋外カフェがクローズしたため「ちょっと贅沢な珈琲店」も伸長するなど、コロナ禍による外部環境の変化で売れ筋が変わった。

一方で「高付加価値品の伸長による新しい変化も起きている」と言う。レギュラーコーヒーでは北海道の老舗喫茶店「森彦」と提携した「森彦の時間」や、スティックの「カフェラトリー」が好調で、「コーヒーを家で楽しもうという人が間違いなく増えた」。そこで秋需に向け、こうした小さな変化を見逃さず、新「ブレンディ スティック」は、厳選した素材を贅沢に使用し、味の素グループ独自のスペシャリティ素材を配合して濃厚感を向上。また「ブレンディ カフェラトリー」もコーヒー系品種を、よりクリーミーな泡立ちに改善するなど価値提案を強化する。

また、新型コロナによる安心・安全志向の高まりを背景にブランド志向が一層強まると予測。そこで岩田剛典さんを継続起用した「ブレンディ」のテレビCMや、原田知世さんを継続起用した「ちょっと贅沢な珈琲店」CMのほか、今回初めて企業広告も開始。「企業広告ではスローガンの『いつでも、ふぅ。AGF』により3Rを一層訴求していく」。

さらにコロナの影響によりECサイトの活用が加速しており、今年2月から通販限定で発売した「ブレンディ ボトルコーヒー ラベルレス」も好調を持続。味の素グループが分析した生活情報を共有しながら専用商品の開発にも生かす。

なお、味の素AGF社は、今年から味の素食品事業本部内の栄養・加工食品事業部による管轄となり、日本と海外を担当する。事業部はコーヒーと「クノール」などスープ系、海外ラーメンが主要3本柱で、「味の素グループとの一体感を一層強めていく」。

一方、新型コロナの第2波も懸念されており、あらゆるシナリオを念頭におく必要がある。その場合には、第1波と同じように供給責任の問題が起こる可能性もあり、「第2波に備え、万全な供給体制を準備しておく」としている。