焼酎 巣ごもりで上位ブランドに需要集中 3密回避へ買物時短化も背景?

4~5月からの巣ごもり需要では上位と下位のブランド間の差が開いたともいわれるが、下落傾向が続く焼酎でも一部で同様の現象がみられた。

外食で人気のサワー類を家庭で手作りする場合、甲類焼酎や混和焼酎を使うことが多いことから、業界では手作り用に焼酎を訴求する向きもあり、巣ごもり需要では期待する声もあったが、4月の甲類出荷数量は前年同月比93.7%、5月は97.3%(日本蒸留酒酒造組合調べ)と、これまでのトレンドと大きく変わらなかった。外食でのサワーユーザーは缶チューハイなどに流れたとみられる。

一方、甲類焼酎トップの宝酒造では、1~5月の飲用甲類が、家庭用1.8ℓパックなどが牽引して前年超え。また、家庭用が主となっている混和焼酎売上金額トップのアサヒビール「かのか」は4月121%、5月117%と二ケタを超えており、6月は落ち着いたとはいえ前年超え、1~6月でも109%と好調な動きを見せた。また、3月から5月にかけて実施したキャンペーンも応募数が前年を大きく超えており、同社はブランド全体の伸長に貢献したとみる。

いずれも市場全体が伸びない中で家庭用で強いブランドだけが伸びている形だ。これについてアサヒビールは「3密を避けようとして店頭で商品を選択する時間が短くなるために、強いブランドが支持されている」という。

これについては「仮説の域を出ない」とする関係者は多いものの、「食品の一部でも似たような現象はみられており、肌感覚に合致する」(食品メーカー)と考える向きもあり、「コロナ禍次第だが、再び内食に大きく振れるような事態になれば、同じ現象が起きるかもしれない」(同)と話す。

また、焼酎は糖質やカロリーなどの点で、健康に配慮する人が手に取ることもあり「運動不足になりがちな自粛期間中に、焼酎へ意識が向いたのかもしれない」(焼酎メーカー)。

今後、業務用が回復すれば家庭用の数字は下がるだろうが、業務用が以前のような状況まで急回復するとは見通しにくいことから、業界では外飲み需要を家飲みに取り込む施策を打つ考えだ。

宝酒造は「レモンサワーで日本を元気に!」プロジェクトを15日に立ち上げ、特設サイトで情報を発信するほか、プロジェクト第一弾として「オンラインレモンサワーフェスティバル2020」(主催:レモンサワーフェスティバル実行委員会)に特別協賛。アサヒビールは、家でひと手間かけた「かのか」の新しい飲み方を提案。「麦焼酎 かのか」の容器側面や店頭POP、Webサイトで、季節の果物や冷凍フルーツを使って楽しめる「かのか ごろごろフルーツスパークリング」を訴求する。