アイスまさかの展開に 2年連続の低温と長雨 末端動かず膨れ上がる流通在庫

今月は左うちわで二ケタ増という、アイス業界の思惑が完璧に外れた7月だった。低温と長雨に見舞われた昨年7月、まさか2年連続で同じような天候になるなど誰が思っただろう。22日現在の同日比で市況は4~5%減となり、前年をさらに下回る状況で推移している。今週、一気に梅雨明けとなったとしても、昨年が同じような展開だったことを考えると大きな上積みは期待できそうもない。

1年で一番アイスが売れるのが7月。二番目が8月という最需期に向け、メーカーは春先から、商品によっては年明け早々から作りだめを行う。

普段ならこの時期は営冷からバンバン商品が出ていき、補充のためラインはフル稼働状態。今年は本来ならラインは止めたいところだが人も資材も手配済み、資材はともかく苦労して集めた人は仕事がないので休んでくださいとは言えない。来年のこともある。しかし、末端の動きが鈍いため営冷はほぼパンパン、少しでも余裕のある営冷を探しながら最小限でラインを動かさざるを得ない状況となっている。

暑ければ欠品を避けるための綱渡り、今は入れる営冷探しの綱渡り、どちらにしろ難しい操業をメーカーは強いられている。以下は、22日現在のおおよその前年同日比。

ロッテは、業務用の回復が遅れていることもあり7%減で推移。「クーリッシュ」は20%以上の落ち込み、「爽」は品質に特化したTVCM効果から20%以上の伸び、売れ筋マルチは二ケタ増。

江崎グリコは、自販機セブンティーンの回復が思わしくなく7~8%減、「ジャイアントコーン」など売れ筋は揃って5~6%減、ただ「アイスの実」だけはCVS導入から30%増、マルチも二ケタ増と好調。

森永乳業は7~8%減。「ピノ」「モウ」とも二ケタ近いマイナス、「パルム」は4%減、マルチは前年を超えたがノベルティが2割近いマイナス。以上、上位3社が揃って7~8%減となっている。

ハーゲンダッツは前年並み。ミニカップ微減、アソート4%増。明治は微減。「エッセル」はバニラが若干の前年割れだが、レギュラー計で7~8%減、マルチは二ケタ近い伸び。

赤城乳業は2~3%減。「ガリガリ君」のソーダはマルチ、ノベルティとも二ケタ減だが、ゴールデンパインがSMでの配荷が2倍となり大崩れを防いでいる。

森永製菓は唯一二ケタ増のメーカー。「ジャンボ」グループが4~5%増、「アイスボックス」も割材需要が伸びて前年クリア、そこに通年販売となった「板チョコアイス」が乗っている。

井村屋は「あずきバー」が好調で20%増。

コロナ感染者数の増加から、巣ごもり需要が復活しマルチは上昇傾向、コンビニは人の動きが鈍り始め数字が厳しくなってきた。各社とも何とか前年並みでの着地を目指しているが、この状況ではなかなか厳しそうだ。