気象予測を販促に活用 季節商品や自販機で成果

高精度の気象データやテクノロジーを組み合わせたウェザーテック・マーケティング(WxTech Marketing)により、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するウェザーニューズ社(千葉市美浜区)。現在は生活者や海・空・陸など44市場にサービスを提供し、企業の課題解決につながっている。

1970年1月に福島県いわき市小名浜港を襲った爆弾低気圧による貨物船沈没事故で、気象情報の必要性を知った創業者・石橋博良氏は、この事故をきっかけに1986年に同社を設立。今では世界21か国、32拠点を保有し、50か国・地域でサービスを展開している。

食品・飲料流通とのかかわりは1993年(平成5年)の大手コンビニ向けのウェザーマーケティングサービスの開始が発端。商品の売れ行きと気温との関係を分析してマーケティングに生かしたもので、今では全国の大手コンビニチェーン全店と総合スーパー向けに最適な発注などをサポートしている。

2017年にはフランスの気象会社Metnext SA社をM&Aで完全子会社化し、気象サービスをグローバル展開。欧州で培われた分析技術と実績を日本市場に応用した新サービスが「ウェザーマーケティング・アナリシスレポート」の提供だ。

これは食品・飲料メーカーや小売業者向けに天候やプロモーション効果などを分析診断するサービスで、両国の予測技術と分析技術を融合させながらサービスを展開。今では欧州のコンビニ、スーパー、外食チェーン、アパレルメーカーなど約20社や韓国、台湾でもサービスを実施。経営判断や販売戦略、生産計画の基礎情報として活用されている。

サービスの構成は「分析サービス」と「需要予測」。商品が気温に対してどう影響するかを分析し、正の相関、負の相関、肌感覚等を定量化し診断する。従来は気象条件だけだったが、今回はプロモーション要因を加えた点が特徴的だ。

例えば中華まん。あらかじめ分析した閾値(しきいち)などを条件に「体感情報を基にした臨時メール」をウェザーニューズが発信。例えば「明日は、九州地区で中華まんの販売増加が見込まれる気象条件になるので、クーポンの発行準備をお願いします」と発信。これを基に顧客は中華まん発注およびモバイルクーポン等を発信。このサービスにより、中華まんの売上げが計画を大きく上回ったという実績があると言う。

自動販売機にはホットからコールドへのコラムを切り替える時期に役立つ。どのエリアからどの順番で切り替えるかが分かればチャンスロスがなくなる。また、メーカー向けには「需要予測」を提供。メーカーは小売に対しての棚割りが重要だが、競合に負けないためには、需要予測をベースにどのタイミングで提案するかがポイントになり、需要予測は最長で6か月先まで提供することができる。