ソフトバンク 日本食輸出が計画超え推移 オンライン価値認識高まる

国内EC市場はコロナ禍で伸長するなど、オンラインの価値に対する認識が進んでいるが、食の輸出面でも同様の動きがみられる。ソフトバンク傘下で日本食輸出支援を行うumamill(ウマミル)は、輸出先での売上が計画を大幅に上回っている。

同社はソフトバンクの社内起業制度から昨年4月に法人化。デジタルシステムを活用して食の輸出支援を行うサービスを運営する。手続きや商談、輸送の代行、マーケティング調査、翻訳、販路開拓などが主な内容だ。

利用は進みつつあり、昨年末時点で日本メーカーの登録数は約230社だったのが今年6月には約500社に、商品数は約1千品から約1千850品に、登録する海外側の飲食店や商社などは約130から約160にそれぞれ増えた。

また同社では地域の有力企業を「地域サポーター」として連携し、取引のある生産者らに紹介してもらい、また出展管理などを担ってもらう取り組みを進めてきた。昨年10月には名鉄協商が初の地域サポーターになり、今年1月には旭食品が加わった(既報)。地域サポーターは1ヶ月当たり1社ずつ増えており、輸出を進めたい地方銀行や自治体とも連携する。

最近では小売向け商品を中心にECにも注力。コロナ禍でWeb利用率が上がるのと連動して同社サービスの利用率も上昇しているといい、4月には輸出先のシンガポールでアクセス数が昨年同時期と比べ11倍、売上は4倍に到達。特に豆腐や菓子が好調だ。

ウマミルの佐藤昌洋CEOは「この情勢の下で、オンラインの価値が認識されるようになった」と評価する。多くの展示会が中止、また面会での商談も避けられることからweb上で新商品を探す動きがあり、その一環でウマミルにたどり着くケースがあるとみる。

輸出はシンガポールから始まったが、4月からは香港へも展開し、既に数十品のトライアル購入があった。

これまではオフラインでの営業にやや課題がみられたことから、今年5月にはコンサルタント業を展開するフォーバル社と業務を提携。相互に補完しあいながら、フォーバル社が拠点を持つベトナムへの年内展開を視野に入れており、豪州でも商談が進む。他地域への輸出も検討中だ。

商品を掲載するWebサイトも刷新予定。特集ページを設けるほか、検索性や翻訳の精度を向上させ、またサイトに掲載していない商品を探せるようにするなど、7月中には利便性を改善する。

今後について佐藤氏は「小売向けを中心により消費者の支持を受け、その実績を背景にして業務用も拡充したい」としている。

国内ではコロナ禍で一部商品の入手が難しくなり、またサンプル輸送の航空便が大幅に値上がりするなど必ずしも順風ではないものの、輸出に活路を見出したい日本企業にとっては朗報になりえるだろう。