ノンアルビール 機能系中心に大きな伸び 会議で発言量増加効果も

ノンアルコールビールが機能系商品を中心に伸長し、また利用シーンへの意識も切り替わり始めており、在宅勤務などの場面でも飲用が広がりそうだ。

ノンアルビールは09年に「キリンフリー」が登場して以来、順調に拡大を続け昨年は2千万箱近くにまで達した。アルコールを飲めない場面での代替飲用が主だったものが、最近では味わいそのものが好まれる傾向もみられるといい、「我慢消費のための商品ではなくなりつつあり、「ノンアル」という一つのカテゴリー成立に近付いているのではないか」とみる市場関係者も多い。ここ数年はトクホ、機能系が登場。昨年にはサントリービール「からだを想うオールフリー」、キリンビール「カラダフリー」が発売された。今年第1四半期(1~3月)はこれらの商品が上乗せとなって出荷量は大幅増となり、機能系の増加が伸長を支えている模様だ。

また、ノンアルビールはビールの代替にも見られがちなため、夕食時やくつろぎ時間での利用が多いというが、一部に意識の変化もみられてきた。

サントリービールが今年5月に実施した「サントリーオールフリー『在宅ノンアル意識調査』」によれば、約3・8人に1人が在宅勤務の気分転換に「ノンアルビールの飲用はOK」と回答。またオンライン会議の息抜きでの飲用でも、約4人に1人が「OK」と回答しており、在宅勤務などの新たな働き方が広まっていく中で、消費者にノンアル飲料を飲用する意識があることが見て取れる。

さらに、家で子供の様子をみながらでの飲用については約3.1人に1人が、家庭での昼食時については約3.6人に1人が、家庭での運動後では約4人に1人が「OK」としており、日常生活の中でのノンアルの飲用への意識もありそうだ。

外出自粛が広がり始めた3月にはサントリー「オールフリー」の売上げが前年同月比142%と大きく伸長したことから、同社では「ニューノーマル時代の気分転換としてノンアル飲料が貢献できるのでは、と考えている」とコメント。一部ではオンタイムでの採用も見られる。

オンラインショップを簡単に開設するためのシステムを提供するストアーズ・ドット・ジェーピー社では、サントリーから「オールフリー」の提供を受けて広報PR部署が任意で導入。広報PR担当の上野敦稀氏によれば、疲れやすいリモート会議でのリフレッシュ効果や、ブレストを主とする会議での発言量増加といった効果がみられ、社内でその情報の共有を図ったところ、他部署での利用も見られたという。上野氏は「福利厚生なども含めて、時代への適応を模索することが企業として求められている」と語る。

在宅勤務が普及した中では、その過ごし方も重要となり、そこへの対応や変化は必須となるだろう。オンタイムでのノンアル飲用もその一環として受け入れられていくかもしれない。