にんべん 弁当・惣菜店の認知拡大へ 1Qは家庭用10%増 オンライン会見で髙津社長

にんべんの髙津伊兵衛社長は3日、オンラインで開いた2020年秋冬新商品発表会であいさつし、5月と6月に出店した弁当業態2号店と惣菜業態1号店について「(新型コロナの影響で)本稼働にはまだ遠い」とする一方で、今後は営業の強化、認知の拡大に取り組む考えを示した。2019年度通期(4~3月)は増収増益で着地し、20年度第1四半期(4~6月)も家庭用事業が牽引し増収で推移したことも明らかにした。

髙津社長は同社の概況について報告した。新店舗については、5月25日に弁当業態2号店「日本橋だし場OBENTO 渋谷ヒカリエ ShinQs 東横のれん街店」(東京都渋谷区)、6月18日に新業態となる惣菜業態1号店「一汁旬菜日本橋だし場 CIAL横浜店」(横浜市西区)をオープンしたことに言及し、「これからは営業を強化し、お客さまに知っていただく機会を作っていきたい」と語った。

19年度通期の売上高は前年比1.4%増。削り類が0.3%増、つゆの素類が3.2%増と主要カテゴリーは前年を上回った。直販事業部は海外事業を含め1.1%減にとどまったが、業務用事業部が2.4%増、家庭用事業部が1.9%増と伸長した。また、3月に新型コロナの影響が発生。直販事業部には店舗閉鎖のマイナス影響、家庭用事業部には家庭内食増加のプラス影響が出た。

20年度第1四半期の売上高は前年比0.6%増。「20年度に入っても新型コロナの影響が出ている」(髙津社長)状況だ。「業務用、百貨店、海外は影響が大きく、マイナスになっている」(同)ものの、「家庭用は家庭内需要の増加で好調に推移している」(同)。

家庭用事業部の第1四半期売上高は前年比10.0%増。削り類が7.9%増、つゆの素類が11.9%増と前年を上回った。つゆの素類に加え、フレッシュパック類(8%増)、だしの素類(44%増)、本節類(31%増)の動きも目立った。また、直販事業部は苦戦したが、中期的には汁物、煮物、惣菜、さらにフリーズドライのみそ汁が伸長。業務用事業部も苦戦したものの、学校給食向けのだしパック、居酒屋とのコラボメニューなどへの期待が大きいという。

髙津社長は発表会で2月に「髙津伊兵衛」を襲名し、5月に「創業320年の鰹節専門店『だし』大発見のブレンド戦略」をPHP研究所から出版したことを報告。同書の印税について、日本橋料理飲食業組合、さらに日本橋ハートブリッジプロジェクトのクラウドファンディングを通じ、東京・日本橋の飲食店の支援、東京都中央区の福祉施設の支援に充てたことも明らかにした。