サービス産業と雇用

厚生労働省が先月30日に公表した5月の有効求人倍率は1.2倍と前月から0.12ポイント低下した。46年ぶりという大きな下げ幅で、半年前に比べて0.4ポイントも急落した。

▼雇用情勢の変化は消費の先行きに直結する。コロナ禍で外食店では休業が相次ぎ、アルバイトやパート労働者の働き口が減り、温浴施設で働く知人は週3日のシフトが、4月以降は月1~2回入れば良い方という。一方で、スーパーや物流現場の人手不足は緩和しつつある。

▼業種によって状況は異なるが、雇用の約70%を担うサービス産業の先行きは厳しい。こうした中で、先の国会ではパート・アルバイトに対する社会保険適用拡大を進める年金制度改正法案が成立した。短時間労働者に社会保険を適用する事業所規模は現在の501人から段階的に引き下げられ、22年には100人超、24年には50人超の事業所でも適用対象となる。

▼現実問題として、パート主婦は手取り収入が減ることを避け、就業調整を行うケースも多い。コロナ禍で経営危機に直面する外食企業にとって、新たな費用負担増は極めて重い。消費増税に続き、キャッシュレス化や受動喫煙防止などビジネスモデルの激変が迫られる中、多様なマーケットを支える中小零細企業の実情にもっと寄り添う必要がある。