尿もれは更年期症状のサイン 女性の健康への対処法 大塚製薬が啓発

女性ホルモンの減少などによって引き起こされる更年期症状は、突然の汗やイライラだけでなく、尿もれ・尿失禁や手指の痛みなどもある。

大塚製薬は18日、自社資産を活用した女性の活躍・労働生産性・健康経営といった社会課題の解決を目的に、YouTubeLiveでオンラインセミナー「女性の健康セミナー」を開催した。

ゲストに招かれたイーク表参道の高尾美穂副院長が「更年期だから注目したい骨盤底筋(不調解消ヨガ)」について、四谷メディカルキューブ手の外科・マイクロサージャリーセンターの平瀬雄一センター長が「最近注目の手指の痛み(女性ホルモンと手指の不調・エクオール)」について、それぞれ講演した。

女性ホルモンの一種で女性らしい体作りを助けるエストロゲンの分泌は、脳の視床下部にある下垂体でコントロールされる。

45歳を過ぎる頃から、下垂体が分泌の指示を出しても卵巣機能の衰えによってエストロゲンが出にくくなり、分泌指示に対応できなることで脳が混乱。その混乱が自律神経にも伝わり、さまざまな不調が起きる仕組みとなっている。

高尾氏はこの不調について、更年期症状と日常生活を送るのがつらくなる更年期障害に大別した上で、6割の女性が更年期症状を経験しており、残りの4割が変化を感じずに生理だけがなくなるとした。

さらに、体の内側の変化は無自覚であることが多いと指摘。「脂質異常、高脂血症、動脈硬化、高血圧、心血管疾患などは検査をすれば分かるが、サインとして教えてくれることはほぼない。それは骨についても同じで、骨密度を測定すればある年代を境にガクンと下がる特徴はあるが、残念ながら骨が折れるまで感じることはできない」と語った。

そうした中で、サインを与えてくれるものとして尿もれ・尿失禁を挙げ「国内だけでも多くのデータがあり、40歳以上であれば年1回は当たり前」と説明した。

エストロゲンを受け止めるレセプター(受容体)が筋肉の中にも存在し、エストロゲンが出なくなることで筋萎縮・筋肉量の減少が引き起こされる。

尿もれは骨盤底筋の衰えが主因となることから、高尾氏は間接的なアプローチ方法として骨盤底筋トレーニングヨガを推奨。「大きな筋肉を動かすついでにトレーニングする」と述べた。

そのほかの対処法としては、豆腐や納豆などに含まれる大豆イソフラボンが腸内細菌で変換されることで生まれるエクオールの産生を紹介。エクオールにはエストロゲンによく似た働きがあり、更年期症状を和らげるほか、メタボ・骨粗しょうの予防につながり、シワの深さが浅くなるなど肌にも作用する。

ただ日本女性医学学会雑誌によると、大豆由来成分であるエクオールを作る腸内細菌を持つのは日本人女性全体では約半分で、若年女性だけを見ると2割程度しかエクオールを作れないという報告もあるという。

平瀬氏は、エストロゲンの減少が手指の痛みにつながる理由について「関節や腱にあるエストロゲン受容体が満たされなくなるため」と指摘した。痛みの緩和に役立つと期待されるものにエクオールを挙げ、腸内で産生できない場合は、サプリメントでエクオールそのものを摂取することも可能だとした。