緑茶「カテキンとカフェイン」軸に攻める コロナ禍で高まる健康・安心ニーズに対応 伊藤園

伊藤園は今期(4月期)、新型コロナウイルス感染拡大で高まっている健康ニーズや安心安全ニーズへの対応を最優先に、製品のラインアップを強化していく。

17日、決算発表した本庄大介社長は「単年度では茶カテキンを強調して『お~いお茶』ブランドを下支えしていく。加えて、青汁の販路と業態をもう少し広げていく」と語った。

「お~いお茶」ブランドでは、体脂肪を減らす機能があることが報告されている機能性関与成分ガレート型カテキンを340mg含む「お~いお茶 濃い茶」が好調。

同商品は昨年、中味をそのままに機能性表示食品へと刷新して8月にコンビニ、9月から販売チャネルを拡大したところ、前下期(19年11月~20年4月)は前年同期比1.6倍となった。

今期は、在宅勤務や在宅時間延長で運動不足や体重増加への懸念が強まる中、「濃い茶」のガレート型カテキンをさらに強調して訴求する。

ただし「お~いお茶」の飲料で最注力していくのは旗艦アイテムである「お~いお茶 緑茶」と位置づけ、カフェイン少なめの「お~いお茶 ほうじ茶」や29日に新発売する「お~いお茶 カフェインゼロ」のカフェイン軸のアプローチも強める。

新商品は「ようやく満足していただける味に」と自信を語る本庄大介社長(伊藤園)
新商品は「ようやく満足していただける味に」と自信を語る本庄大介社長(伊藤園)

「カフェインゼロ」は、伊藤園が開発したカフェイン量を抑えた原料茶葉(無香料・無調味)を使用し抽出工程にも工夫を施すことで実現したカフェインゼロの緑茶飲料で、「ようやくお客さまにご満足していただける味づくりができた」と胸を張る。

「お~いお茶」のリーフ(茶葉)は「暖冬で昨年11、12月に非常に苦戦していたが、今年2~4月の3か月で市場は6.4%伸長し当社は9.7%伸長した」。緑茶リーフ市場でティーバッグやインスタントが占める簡便化比率は、09年25%から19年43%へと拡大。この中で伊藤園のティーバッグ商品は2-4月に16%増を記録した。4月6日にはインスタントティーの機能性表示食品「お~いお茶 さらさら抹茶入り濃い茶」を新発売し順調に推移している。

青汁は「毎日1杯の青汁」ブランドを強化して成長市場に挑む。同ブランドは前期16%増となり直近もコロナ禍の影響を受けることなく伸び続けているという。伊藤園調べによると、19年青汁市場は1千50億円と推定。そのうち青汁飲料は140億円と小さく、飲料で深耕余地があるほか、店頭販路にも伸びしろがあるとみている。

「粉末・飲料のフルラインアップで展開しているのはわれわれだけ。業態を考えながら粉末と飲料の両方を強化しブランドで勝負していく」との考えを明らかにした。

紙パック「ビタミン野菜」好調

「お~いお茶」ティーバッグ商品は2~4月16%増と急伸。機能性表示食品「さらさら抹茶入り濃い茶」も登場した
「お~いお茶」ティーバッグ商品は2~4月16%増と急伸。機能性表示食品「さらさら抹茶入り濃い茶」も登場した

そのほか野菜飲料では紙パックの「ビタミン野菜」も好調で前期に約10%増を記録。今後はさらなる拡大を目指して自販機用に缶容器、手売り用にPETを新たに投入していく。同商品は、野菜と一緒にビタミンC1000mgをはじめ、ビタミンE、ナイアシン、ビオチンなど計12種類のビタミンがそれぞれ1日分補給できる中味設計。

無糖飲料では、「TULLY’S COFFEE BARISTA’S BLACK(タリーズコーヒー バリスタズブラック)」390㎖ボトル缶がコンビニチャネルでリピート率・シェアともに首位の座を獲得。「ブラックだけではなく、微糖やさまざまなサブカテゴリーを含めた中で№1の回転となっている」という。

事業全般では「当社では畑からとれる原料を使い、大地の恵みをそのまま提供しお客さまの健康に貢献する。また、そこで派生してできたものを有効利用して循環型社会に少しでも貢献する企業を目指していく」考えで、中長期的には茶殻の活用を推進していく。

引き合い強まる茶殻抗菌シール

「ビタミン野菜」は前期約10%増。一層の拡大へ自販機用缶容器、手売り用PETの2品も投入する
「ビタミン野菜」は前期約10%増。一層の拡大へ自販機用缶容器、手売り用PETの2品も投入する

直近では、抗菌効果のある茶殻配合シートを活用した茶殻抗菌シールを開発。現在、これを全国の自販機の購入ボタンや商品取り出し口などお客さまが触れる部分に順次貼り付けており引き合いも強まっているという。

新たな日常(ニュー・ノーマル)に対しては、工場やオフィスの休業・閉鎖の動きを受け「今までのように単に自販機を増やしていけば売上げにつながる時代ではなくなった」との見方を示し、当面は特に健康に資する商品を1台にまとめたウェルネス自販機の提案やECチャネルを強化する。

コロナ禍を受けて新規事業も模索する。15日付で社長直轄の新規事業推進部を新設した。