ビール類 5月は宣言解除でやや持ち直し 発泡酒・新ジャンルが伸長、健康軸も

5月のビール類市場は引き続き厳しい数字だったが、緊急事態宣言が解除されたこともあり、4月に比べてやや持ち直した。

4月のビール類出荷数量は前年同月比79%ほどとみられたが、5月は87%と下げ幅が縮小した。狭義のビールも4月48%に対して5月は60%だった。

宣言により業務用市場は8割以上の減少ともいわれ、「売上げが蒸発した」とまで言われた。業務用の最大勢力であるアサヒビール「スーパードライ」は4月48%だったものの、宣言が解除された5月は65%と下げ幅は明らかに縮小している。キリンビール「一番搾り」も4月48%から5月54%となり、メーカー関係者たちは「宣言解除でやや持ち直しているのでは」と話す。また缶は家庭用需要で概ね順調で、キリンビールの缶は一ケタのプラス。サッポロ「黒ラベル」缶もプラスを確保した。

一方で家庭用が大部分を占める発泡酒・新ジャンル市場は順調だ。5月の発泡酒は102%、新ジャンルは114%と伸長。コロナ禍での巣ごもりが需要を後押ししたとみられる。

新ジャンルは、コロナ禍で価格も強く意識されることから好調といわれ、キリン「本麒麟」145%、「金麦」103%、新製品の「アサヒ ザ・リッチ」は発売2か月半で上方修正した年間目標(800万箱)の3割を超え、サッポロ「ゴールドスター」も先月出荷分で当初年間目標(360万箱)の6割をクリアし、目標を460万箱に上方修正した。5月発売の「サントリーブルー」は発売3週間で年間計画の約3割に当たる66万箱を販売している。

また、健康軸を謳ったアサヒ「スタイルフリー」113%や、キリン「淡麗グリーンラベル」109%と好調。コロナ禍や外出自粛による運動不足などで、漠然とした健康不安が高まったことが背景にあるとされる。

今後の動向についてはコロナ禍次第の面が強いが、6月の動向次第で夏場の需要が見通せるとの見方が多く、関係者たちは注視の構えだ。

アサヒビールのビール類は5月78%、1~5月累計82%。キリンビールのビール類は91%、うちビール計59%、発泡酒100%、新ジャンル110%。サントリービールのビール類は96%、うちビール45%、新ジャンル118%。ノンアルビール108%。サッポロビールのビール類は80%、うちビール61%、新ジャンル128%。