食品大手業績 天候、増税に新型コロナ…外部要因で明暗 今期も見通せず

食品大手 2020年3月期売上高上位20社

冷夏、消費増税、台風、暖冬、とどめの新型コロナ。20年3月期売上高上位20社(非上場除く)の連結業績は、M&Aが業績に大きな影響を与えた日清製粉グループ本社、不二製油グループ本社を除き、売上高は3%前後の増減で着地した。営業利益は、新型コロナの影響も含め、日清食品ホールディングス、東洋水産など家庭用の売上構成比が高いメーカーが大幅な増益となっている。

増収率が大きい日清製粉グループ本社は、前期実施した豪Allied Pinnacle Pty Ltd.とトオカツフーズの新規連結効果、不二製油グループ本社も業務用チョコレート事業での米国ブラマー社の子会社化などによるもの。減益率の高いマルハニチロは商事事業や海外(北米)の不振が主因。

売上高は全体的に足踏み状態となったが、日清食品ホールディングス、東洋水産、日本製粉、カルビーなどが伸長。いずれも第3四半期までの堅調な伸びに加え、即席麺、小麦粉、スナック菓子などに対する新型コロナ特需も追い風となった。

新型コロナの影響については、家庭用の売上げが伸びる一方、業務用は苦戦した。家庭用、業務用ともに構成比の高い乳業カテゴリーでは、牛乳、ヨーグルト、バター、チーズなど家庭用の売上げは伸びたが、「業務用食品は外出自粛の影響により売上高が減少。運動機会の減少により3月からスポーツ栄養もマイナス」(明治ホールディングス)、「家庭用のヨーグルト、アイスクリーム、チーズはプラスだったが、業務用乳製品、オフィス需要、自販機、宅配はマイナス」(森永乳業)、「家庭用商品が拡大。チーズは家庭内需要が増えている。業務用乳製品、学校給食用は減少。業務用は全般的に非常に厳しい」(雪印メグミルク)というように、家庭用と業務用の構成比が売上げの増減にも影響した形だ。

営業利益では、明治ホールディングスが8期連続の増益により初の1千億円突破となったのが大きなトピック。増益率で見た場合、日清食品が約4割増となったほか、日本ハム、伊藤ハム米久ホールディングス、森永乳業、プリマハム、東洋水産、不二製油グループ本社などが二ケタ増益。日清食品ホールディングスは国内外とも好調に推移したが、主力の国内即席麺事業(日清食品、明星食品)は価格改定(2019年6月)が順調に浸透し、冷夏などの特需に加え、新型コロナによる売上げ増も増益に貢献した。

不二製油グループ本社は増収効果、日本ハムは加工事業の収益重視施策の効果や海外事業での豪州の回復などが寄与。伊藤ハム米久ホールディングスは、国内での付加価値商品の拡販、海外食肉事業での収益改善が増益要因となった。東洋水産は国内外で即席麺事業が好調に推移したことが寄与した。

2021年3月期の通期業績予想については、開示企業の大多数が新型コロナの影響を織り込まない数字としている。

通期業績予想は別表の通り。多くが新型コロナの影響を除外した数値で開示している。「政府の経済対策に期待しているが、海外経済の回復の遅れ、国内でも失業や収入減により消費が低迷する可能性がある」(川村和夫明治ホールディングス社長)といったように、新型コロナ自体に加え、国内外での経済への打撃、それに伴う失業、収入減の影響。さらには、既に北海道などで発生している第2波への懸念などもあり、新型コロナの影響を含めた通期業績予想の開示は、第2四半期決算以降となりそうだ。