ラベルレス飲料じわり浸透 環境配慮・便利・シンプルで拡大の可能性 ブランドを表現する動きも

飲料のラベルレス商品がECチャネルを中心にじわり浸透している。ラベルレス商品とは、ペットボトル(PET)に貼付しているプラスチックラベルをなくして廃棄物量削減による環境負荷の低減とラベルを剥がす手間を省き使いやすくした商品のことで、ラベルに記載している原材料名などの一括表示は外装の段ボール(ケース)に記載する必要があるためケース単位のみで販売されている。

またケースに収められている個別容器は、これまでリサイクルマークなどを記載したタックシールを付ける必要があったが、消費者の分別排出の容易化やリサイクル時の不純物除去への寄与などの観点から、3月31日に「資源有効利用促進法」の省令の一部が改正され、タックシールの代わりにペットボトル(PET)に直接リサイクルマークを刻印することで完全ラベルレス化が可能となった。

「ブレンディ ボトルコーヒー ラベルレス」(味の素AGF)
「ブレンディ ボトルコーヒー ラベルレス」(味の素AGF)

業界に先駆けて18年からラベルレスに取り組んでいるアサヒ飲料は7日、タックシールを外した完全ラベルレス化の「おいしい水 天然水 ラベルレスボトル」(600㎖PET・2ℓPET)のケース販売を開始。ラベルレスの上にタックシールを貼付しないことで、年間で7tのプラスチック樹脂量の削減を見込む。

同社は「十六茶」や「守る働く乳酸菌」でもラベルレス商品を展開しており、これらの完全ラベルレス化も予想される。

ボトルコーヒーでラベルレス商品を展開するのは味の素AGF社で、19年8月にEC限定で「ブレンディ ボトルコーヒー ラベルレス 無糖900㎖」を発売。今年は低糖タイプをラインアップに加え、段ボールも天面・側面のどちらからでも簡単に開けられるように改良した。

ラベルは商品特徴やブランドの表現に欠かせないものとされてきたが、今後はラベルレスが情報や装飾を極力少なくしたシンプルなデザインとしても受け入れられる可能性がある。

「い・ろ・は・す 天然水 ラベルレス」(コカ・コーラシステム)
「い・ろ・は・す 天然水 ラベルレス」(コカ・コーラシステム)

その可能性を示唆するのが、コカ・コーラシステムが4月に販売開始した「い・ろ・は・す 天然水 ラベルレス」(560㎖PET)。

同商品は、うねりのある新形状の容器を採用し、緑色のキャップと相まってラベルレスでありながらも「い・ろ・は・す」ブランドであることが分かるようになっているのが特徴で、ボトル正面にはブランドロゴが大きくエンボス加工されている。

「水の清涼感を想起させるうねりのあるデザインとロゴのエンボス加工で、外にも持ち運びたくなるように工夫されている。また100%リサイクルペットでありながら、ものすごく透明度の高い容器となっている」(日本コカ・コーラ)と胸をはる。

ボトル側面には製造者表記ロゴと識別マーク(プラマークとPETボトルマーク)を刻印し4月1日製造分(充填分)から完全ラベルレス商品として展開している。

中味のアピールに活用する動きも出てきた。

「伊右衛門ラベルレス(首掛式ラベル付)」(サントリー食品インターナショナル)
「伊右衛門ラベルレス(首掛式ラベル付)」(サントリー食品インターナショナル)

サントリー食品インターナショナルが21日からコンビニと交通売店で数量限定販売している「伊右衛門ラベルレス(首掛式ラベル付)」の狙いは、新生「伊右衛門」を象徴する鮮やかな緑色の水色(すいしょく)のアピールにある。

原材料名などを記載した首掛式ラベルを貼付することで単品での販売を可能にした。

ラベルレスではない通常の「伊右衛門」本体(緑茶)は、原料と製法を見直し14日に新生「伊右衛門」としてリニューアル発売。そのメーン容量帯となる600㎖PETと525㎖PETは、ボトルに縁起のよい絵柄をデザインすることでロールラベルをめくって水色をみてもらうための工夫も施されている。

新TVCMでもロールラベルをめくるシーンが描かれており「あくまで水色を見てもらうための取り組みだが、副次的な結果として分別回収にも貢献できると考えている」(サントリー)。