低迷する果汁飲料市場、「トロピカーナ」に光 ポイントは“果汁そのものの美味しさ”+栄養成分 キリンビバレッジ

機能性低果汁「エッセンシャルズ」5年連続成長

果汁飲料カテゴリーがダウントレンドにある中、「トロピカーナ」ブランド(キリンビバレッジ)の機能性低果汁が拡大している。
昨年は、栄養素入りの低果汁の「エッセンシャルズ」シリーズと「W(ダブル)オレンジブレンド」が前年を上回りブランド全体を牽引。その中で「エッセンシャルズ」シリーズシリーズは5年連続で拡大し、昨年は前年比18%増の826万ケースに達した。

これには「トロピカーナ」の最大の強みである“果汁そのものの美味しさ”の独自イメージに栄養成分の訴求が加わったことが奏功した。

ブランドイメージも「“果実そのもののおいしさが楽しめる”に加えて“身体に良さそうな栄養素がとれそう”も大幅にアップした」(キリンビバレッジ)という。

市場をみても、100%果汁や低果汁飲料が毎年減少する一方、栄養成分を訴求している果汁や野菜・野菜果汁ミックスは伸長傾向にあることから、同社は今年「トロピカーナの強みを活かした栄養成分入り商品のさらなる飛躍」を商品戦略の第1の柱に掲げる。

「エッセンシャルズ」では、“美味しいついでに栄養補給”という健康習慣を浸透させることでプリズマ紙容器の野菜飲料を含む機能性果汁飲料市場で売上シェアNo.1を目指していく。

その方策としては、30~40代女性をコアターゲットにした既存品に加えて、新たに30~40代男性の獲得を目指したシリーズ初の果実スムージー「エッセンシャルズ プラス」2品を4月7日に新発売した。

「エッセンシャルズ プラス」の開発にあたっては、15年からのスムージー市場の急拡大や20-49歳男性で顕著にみられる高い欠食率、男女ともにビタミン各種や乳酸菌が果汁で摂りたい栄養素の上位に入ることに着目した。

スムージー市場の急拡大や20-49歳男性で顕著にみられる高い欠食率、男女ともにビタミン各種や乳酸菌が果汁で摂りたい栄養素の上位に入ることに着目して開発された「エッセンシャルズ プラス」。「乳酸菌スムージー」と「ビタミンスムージー」の2品をラインアップ。(トロピカーナ)
スムージー市場の急拡大や20-49歳男性で顕著にみられる高い欠食率、男女ともにビタミン各種や乳酸菌が果汁で摂りたい栄養素の上位に入ることに着目して開発された「エッセンシャルズ プラス」。「乳酸菌スムージー」と「ビタミンスムージー」の2品をラインアップ。(トロピカーナ)

既存のスムージー飲料では、味や素材の違いで商品が提案されている中、「エッセンシャルズ プラス」では摂りたい栄養に着目して、栄養で選ぶスムージーを提案していく。

そのラインアップは「乳酸菌スムージー」と「ビタミンスムージー」の2品で、この中で「乳酸菌スムージー」は1 日分のビタミンCとキリン独自の乳酸菌である「プラズマ乳酸菌」が1000億個入った設計になっている。

一方、「ビタミンスムージー」は、30~40代男性の摂りたい栄養素として関心が高いビタミンA・ビタミンC・ビタミンEに加えて“1食分の野菜入り(野菜120g分)”を謳っている。

 2品とも330mlのプリズマ紙容器で、希望小売価格は税抜き153円。

「エッセンシャルズ」の既存品では「カルシウム」を3月3日にリニューアル発売。果汁飲料として親しみのあるアップルをメインフレーバーとし、摂りたい栄養素1位の鉄分を入れることで間口拡大を狙う。税抜き122円の希望小売価格で販売している。

「エッセンシャルズ」のコミュニケーションは“なんとなく野菜を摂るより、あなたの不足にぴったりおいしい!”をキーメッセージにデジタルを活用した広告配信を展開している。

昨年、「エッセンシャルズ」シリーズとともに前年を上回りブランド全体を牽引した栄養成分入り商品「W(ダブル)オレンジブレンド」。果汁の配合ブレンドを改良して果実感をさらにアップさせて2月18日にリニューアル発売した。(トロピカーナ)
昨年、「エッセンシャルズ」シリーズとともに前年を上回りブランド全体を牽引した栄養成分入り商品「W(ダブル)オレンジブレンド」。果汁の配合ブレンドを改良して果実感をさらにアップさせて2月18日にリニューアル発売した。(トロピカーナ)

「エッセンシャルズ」に続く栄養成分入り商品となる「W(ダブル)オレンジブレンド」は2月18日にリニューアル発売。果汁の配合ブレンドを改良して果実感をさらにアップさせた。

同商品では「お客様のインサイトをダイレクトに表現したメッセージで商品への興味喚起、共感を獲得する」との考えの下、“せっかくだったら、カラダにいい方。”をキーメッセージに掲げたコミュニケーションを展開している。

商品戦略の第2の柱としては100%果汁シリーズの既存大型容器を育成していく。

100%果汁の大型容器市場は100-160円台と200-250円台で二極化。この中で200円台の過半を占めるのが「まるごと果実感」シリーズで昨年は4%増の175万ケース強へと拡大した。

今年はこの勢いを加速させるため、果汁感を強調したアテンションを入れてパッケージを刷新するとともに4月14日に「グレープ」を新発売した。さらなる新フレーバーの投入も予定し、店頭では9月以降、ハロウィンとクリスマスの“ハレの日”施策を予定している。

「トロピカーナ」は昨年、「エッセンシャルズ」と「W」が全体を牽引した一方、チルド100%の小型パック品が競合品の低価格化でシェアを奪われたことで、トータルでは1%減となったが、5%減と推定される果汁飲料市場の中では善戦した。

直近の1・2月では「単月・累月ともに10%増と好調に推移している」という。

「トロピカーナ」では“いちばんハッピーな、ナチュラル栄養源”のブランド・ビジョンの下、“果実の良さを引き出し、手軽で身近なものにする”をブランド・パーパス(ブランドの社会的存在意義)に掲げている。