即席麺 新型コロナの影響鮮明に まとめ買い需要で袋麺伸長 3月生産量2ケタ増

3月JAS生産量の種別内訳は、袋麺が前年比18.2%増、カップ麺8.1%増となった。

安倍晋三首相による小中高校などの休校要請会見(2月29日)を受けた“第一波”(業界関係者)、小池百合子東京都知事の「ロックダウン」発言(3月中旬)後の“第二波”という2度の特需により、店頭では袋麺の品薄も目立っていたが、生産量の面からも、こうした特需が裏付けられた形だ。

袋麺生産量の種別内訳では、「マルちゃん正麺」(東洋水産)、「日清ラ王」(日清食品)などを中心とし、ここ数年、ダウントレンドが続いていたノンフライ麺が前年比33.2%増と爆発的な伸びを示している。「チキンラーメン」(日清食品)、「サッポロ一番」(サンヨー食品)、「チャルメラ」(明星食品)などを中心とするフライ麺も、醤油味16%増、塩味17.4%増、とんこつ味18.3%増など軒並み大幅増となった。3月の躍進を受け、1~3月の四半期生産量も前年比0.2%増と浮上した。

一方、カップ麺も「どん兵衛」(日清食品)、「赤いきつねうどん」「緑のたぬき天そば」(東洋水産)をはじめとする和風醤油味が9.9%増、各社の主力品がしのぎを削るフライ麺が醤油味14.1%増、味噌味7.1%増、塩味16.7%増などと伸長。「日清焼そばU.F.O.」(日清食品)、「一平ちゃん夜店の焼そば」(明星食品)、「ペヤングソースやきそば」(まるか食品)などの焼そばも10.2%増となるなど軒並み増加。ただ、ノンフライ麺は3.7%減となり、袋麺と異なる動きを見せた。

3月の結果を受け、1~3月の四半期カップ麺JAS生産量は前年比1.6%増。袋麺、カップ麺生産量の合計は1.2%増となった。

「第一波の時は“平時”から“有事”だったが、第二波以降は“有事”から“有事”」(メーカー)というように、3月、メーカー各社はフル稼働で需要に対応したものと見られるが、4月17日、全都道府県に対し緊急事態宣言が発出された。17日午前の段階で、首都圏の一部小売店店頭ではカップ麺の販売数量制限といった動きも見られた。

メーカーサイドでは、増産体制の継続や安定供給に向けた増産アイテムの主力品への絞り込みなどにより需要増に対応する構えだが、全国的な緊急事態宣言の発出を受けた今後の需給動向は不透明で、メーカーサイドでは緊張感をもって今後の動向を注視していく考えだ。

他方、ここ数年低迷していた袋麺が二ケタ増となったことを受けて、業界内には市場での袋麺再評価に向けた期待も高まっている。特に前年割れが続いていたノンフライ袋麺については、単月、特需効果とはいえ前年比3割増となった。メーカーサイドはここ数年、品質改良の取り組みやメニュー提案などの需要喚起策を展開してきたが、今回、新規および休眠ユーザーの購入が進んだものと見られるだけに、袋麺の価値再評価に向けた好機という見方もできそうだ。