チルド麺需要激増で生産現場から悲鳴 即席麺も需要増に対応

新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、麺カテゴリーへの需要が激増している。保存性、コストパフォーマンスなど有事に強い即席麺、簡便性の高い冷凍麺への需要はこれまでも高かったが、今回の騒動では、小中高校休校による家庭内での昼食需要の高まりなどもあり、焼そばをはじめとするチルド麺へのニーズも高まっている。

ただ、チルド麺については一部、「殺到する受注に対応できない」(メーカー)という状況。連日のフル稼働により、「生産現場から悲鳴が上がっている」(同)という状況のため、緊急事態宣言の影響を注視するというのが実情だ。

ここ数年、ダウントレンドの続いてきたチルド麺。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた麺需要の高まりを受け、需要は増加傾向にあったが、2月29日に安倍首相が、小中高校などの休校を要請する会見を開いた直後、焼そばを中心に”第一波”(業界関係者)という需要のピークを迎えた。

その後、3月中旬には一時、落ち着きを取り戻したものの、小池百合子東京都知事の“ロックダウン”会見を受け、“第二波”の特需が発生。「第一波の時は“平時”から“有事”だったが、第二波以降は“有事”から“有事”」(メーカー)というように、現在はフル稼働でも需要に対応しきれず、「品目によっては割当制をとって対応している」(同)という状況。

リードタイム「D0」(当日配送)など、日配商品ならではの事情もあり、事前に在庫を積み増すこともできず、「殺到する注文に対応できない。生産現場が疲弊しており、うれしい悲鳴などではなく、本当に悲鳴」(同)というぎりぎりの対応となっているのが現状だ。

一方、即席麺カテゴリーでは、袋麺に対する需要が急増している。実際、店頭でも、カップ麺に比べ袋麺の品薄が目立つ。即席麺カテゴリーも前述の“第一波”と“第二波”直後は、袋麺を中心に欠品が目立ったが、2月以降、「増産体制を取っている」(メーカー)ということもあり、4月8日時点では店頭で大きな混乱は見られていない。

即席麺は、カップ麺6か月、袋麺8か月と賞味期限が長いこと、「2月以降の増産体制を継続する」(メーカー)ということ、既に一定程度、家庭内在庫があるものと見られること、さらにはリードタイムの延長(納品前々日受注)などもあり物流を含めたサプライチェーンのコントロールが一定程度できていることなどが理由と見られる。

7都府県限定とはいえ、7日に緊急事態宣言が発出されたことの影響は未知数。「4月後半に予定していた新製品の発売を延期した」「主力品の供給は問題ないが、小ロットの商品は次の生産まで間があくため欠品の可能性もある」(メーカー)など既に一部影響も出ているが、メーカーでは当面、「安定供給に向け、増産するアイテムを主力品に絞り込む」(同)ことで対応する構え。

即席麺業界ではここ数年、袋麺のダウントレンドが続いてきたが、「これを機に、袋麺の価値が再評価されれば」(メーカー)という期待感もある。