SNS映えする焼麩(やきふ) 「カラふル」若いユーザーつかみ好調 常陸屋本舗

明治10年創業の常陸屋本舗。焼麩やきな粉をはじめとした乾物の老舗メーカーとして堅実なイメージの強い同社であるが、伝統食品の焼麩をポップにアレンジした製品で近年ヒットを飛ばしている。

その名も「カラふル」。パステル調のカラフルな色がついた飾り麩で、約2年前に発売した星型はSNSなどで話題に。2年目の19年度も前年比160%ほどの売れ行きと好調だ。昨年にはハート型も登場した。

「高齢化が進むなか、お麩の購入層が60代以上に限られてきている。若い層にも広げられるような商品として開発した。若手社員の意見も聞いて『かわいい』をキーワードに決め、子どもやお母さんに『かわいい』と思っていただけるような商品を目指した」(第二営業部 池田聖一郎部長代理)。

既存商品にも星型の「星のふ」があったものの、主な用途がそうめんに固定され、売れる時期が七夕シーズンに限定されていた。新たな利用シーンを開拓すべく、「星のふ」の製造設備を生かして商品化にこぎつけた。

星とハートの2品がある「カラふル」(常陸屋本舗)
星とハートの2品がある「カラふル」(常陸屋本舗)

「最初は売れなくてもいいからチャレンジしてみよう」との考えだったが、発売してしばらくすると、店頭で商品を見た子どもにせがまれて購入した母親がツイッターで商品を紹介。すると2万3千件ものリツイートが拡散され、ニュースサイトでも取り上げられるなどして認知度が一気にアップした。

男性が大半を占める乾物バイヤーには、当初「どこに置けばいいのか」と戸惑われた。しかし話題が広がるにつれて「若い人にはこれもありかも」と、導入するスーパーも増えてきた。

朝はヨーグルトやシリアルに、あるいはアイスやケーキに、夏はそうめんのトッピングにもそのまま使える。子どもの弁当にアクセント的に使う例もSNSで紹介されている。

「今まで麩を買わなかった年齢層を取り込めて、従来品とは違った使い方ができるため、当社の中でもカニバリを起こさず売れる商品。ただ、麩の売場は3尺2段程度と狭く、何かが入ると何かが外される。いかにして売場を広げていけるかが今後の課題だ」(池田氏)。乾物以外の売場への展開にもチャレンジしていきたいという。