キリン 国産ウイスキー22%増へ2品投入 ブランド基盤を強化

キリンビールの19年洋酒事業は洋酒計で前年比100%(296億円)、うちウイスキー計100%(183億円)、国産ウイスキー計68%(32億円)だった。昨春に国産「富士山麓」を終売。「ジョニーウォーカー」「ホワイトホース」を中心に輸入は好調に推移。フランスでの販売基盤づくりも予定通りという。

20年洋酒事業計画は前年比105%(312億円)、うちウイスキー計108%(198億円)、国産ウイスキー計122%(39億円)。国産では新たに2品を投入してブランド基盤の強化を図る。

キリンは昨年2月に、富士御殿場蒸溜所の熟成庫保管能力の約2割増強や、発酵・蒸留設備の新設といった約80億円の設備投資を発表。21年6月の稼働を予定しており、設備増強、稼働率アップで原酒を作る能力は約2倍になる。併せて蒸溜所見学ツアーも刷新する。

設備増強に合わせて「今までと同じような考え方でウイスキー事業をやるのではなく、改めてゼロからスタートする」(根岸修一マーケティング部洋酒・海外ビールカテゴリー戦略主査)として、目指すべき提供価値を考え直したという。また、市場にはシングルモルトほどの強い話題がないという。国産は原酒不足から新たな提案は限定的なため「こんなものだ」とのイメージを持たれているとみており、それを打破できればウイスキーの可能性は広がるとする。

4月21日発売の「シングルグレーンウイスキー 富士」は30~40代の国産プレミアム品ユーザーがターゲット。世界的に知られる日本の象徴をストレートに表現したネーミングであり、グローバル展開を意識した。

世界的に評価が高いという富士御殿場蒸溜所の原酒のみを使い、まずは業務用で展開する。販売計画は1万箱(9ℓ/箱)。

5月19日投入の「キリンウイスキー 陸」は樽由来の味わいと甘味が感じられ後味のキレが良いという。「『ウイスキーは自由だ』のコンセプトのもと、いろんな楽しみ方をカジュアルに、肩肘張らずに楽しんでもらうために設計」(田中城太商品開発研究所マスターブレンダー)したもの。海外の原酒も使い、全チャネルで展開。消費者調査で浮かび上がった「ウイスキーの新しい提案がないことへの潜在的な不満」に応える。販売計画は4万2千箱。