近畿小売業 明暗くっきりの3月商戦 スーパー2ケタ増、百貨店半減 先行き不安は隠せず

近畿小売業 明暗くっきりの3月商戦 スーパー2ケタ増 百貨店半減 先行き不安は隠せず

近畿地区に展開するスーパー、オークワと平和堂の3月の食品売上高は前年を大きく上回った。特に加工食品は二ケタ増となり、新型コロナウイルスに関連する買い込みが大きかったことを示している。インバウンド需要の激減で、大幅に落ち込んだ百貨店と明暗を分けた。

オークワの3月単月の売上高は前年比112.4%(既存店112.5%)。このうち食品は生鮮が111.4%に対し、加工食品が114.1%となった。

新型コロナウイルスによる特需が1月末から徐々に表れ、2月まではマスクを中心に伸長。2月末から3月にかけては「自宅で過ごす時間が増えたことから食品、住居関連品が非常に伸びた」(神吉康成社長)。住居用品は116.3%と、食品を上回る伸び率を示した。

前2月期は98.9%と前年を下回っていた既存店の客数も3月は107.5%とプラスに転じ、客単価も101%から104.6%と伸び率が広がった。

こうした中、一部の食品では不安定な供給が続いているという。「納豆は発注に対し6~8掛けで納入される商品があり、ヨーグルトはチラシ訴求を自粛する要請がメーカーから届いている。今後も情報を密にしながら、状況に合わせた対応が必要になる」(同)。

一方、平和堂の3月の売上高は前年比105.2%(既存店104.3%)。食品は生鮮が107.6%に対し、加工食品は111.6%と二ケタの増加。住居関連品も食品ほどではないものの、103.4%と伸びている。

同社では昨年10月の消費増税、その後の暖冬や野菜の相場安の影響により11月以降、売上げの前年割れが続いていた。客数も昨年7月以降は前年を割っていたが、2月にプラスに転じた。

なお、オークワ、平和堂とも20日締めのため、うるう年で2月が1日多かったことも3月の増収要因となった。

大きく伸長したスーパーに対し、悪化の一途にあるのが百貨店。3月の売上高は大丸心斎橋店が前年比36.9%、梅田店が48.2%。阪急うめだ本店が58.7%、阪神梅田本店が57.4%など軒並み4~6割ダウンしており、1月以降、月を追うごとに減少幅は大きくなっている。

特に3月はインバウンド売上げが前年の1割程度にまで下がったことに加え、消費者の外出自粛や催事の中止、臨時休業を含む営業時間の短縮などが影響した。

好調なスーパーと低迷を極める百貨店の明暗が分かれた格好だが、スーパーも今後の不安を隠さない。平和堂の平松正嗣社長は「3月は結果的に伸びたが、今後については不透明」と語る。同社は中国事業を展開しており、1月末から1か月間、新型コロナウイルスの影響で食品以外を閉店した。再開後も客数は戻らず、3月単月の売上げは前年から半減した。

今期の連結業績は中国事業と国内の飲食事業がマイナスになるとの見通しから、通期では減収を見込む。小売事業も「プラスとマイナスの影響があり、見通すことが困難」(平松社長)としている。

オークワの神吉社長も「2~3か月はこの状況が続くとみられるが、下期はどうなるか分からない。そのため、通期の売上予想は低めに設定した」と慎重な姿勢を示している。