三井製糖と大日本明治製糖 経営統合で合意 日本甜菜製糖とも資本業務提携 製糖再編の狼煙か

製糖再編に突入か――? シェアナンバー1の三井製糖と三菱系の大日本明治製糖は25日、両社の取締役会で経営統合に合意したと発表した。さらに北海道のビートメーカーである日本甜菜製糖も両2社の持ち株会社と資本業務提携の協議を開始することで合意。砂糖市場は消費減が続く中で“次の再編期”も話題に出てくる段階だったが、いきなりクライマックス級の統合話が飛び出した。

まず三井製糖(連結売上高1千52億円)と大日本明治製糖(単体売上高334億円、以下DM)は今年9月末に経営統合に関する最終契約を締結。10月から来年3月にかけて協議を進め、2021年4月1日予定で統合完了を目指す。日本甜菜製糖(連結売上高580億円)との資本業務提携は、上記2社の経営統合の進捗を見ながら別途実施していく(日甜の約10%の株式を取得予定。日甜も三井製糖とDMの持ち株会社の同等価の株式を取得予定)。三井製糖とDMは持ち株会社を作るが、名称、代表者、役員その他の基本事項や統合比率は協議のうえ決定する。

三井製糖とDMは「対等の精神」に則り、経営統合を通じて人材や資金などの経営資源を集中し再配分することで、業務管理の効率化、グループ経営の深化を推進。研究開発や成長分野へのポートフォリオ配分の強化で堅固な収益基盤と成長性を併せ持つ企業に飛躍することを目指す――としている。

今回、どちらから持ち込まれた話なのかについては両社とも「自然に」と同じコメント。注目の生産集約などについては何も決まっていないとのこと。とりあえず経営統合について合意し、効果や効率化(配送、生産)は「統合検討委員会」などを通じて議論を深めていくようだ。

3社合計で売上高約2千億円(1千967億円・前期合算)の巨大な製糖ネットワークが構築されることになる。

これまで製糖業界(主に白糖)は平成元年に18社22工場(20工場の認識もあり)だったものが、平成終わりには13社12工場に統廃合。この間、年間砂糖消費量は平成元年の257万tから平成30年の189万tまで約26%減少した。巨大な装置産業であるため稼働率が低下して追い込まれる前に先手を打つように再編を繰り返してきた。

三井製糖も平成13年に新名糖と、平成17年に台糖、ケイ・エスと合併して現在に至る。DMも平成8年に大日本製糖と明治製糖が合併してできた会社だ。

ただ、令和時代も砂糖消費の減少は続き、平成終わりから令和に入る3年度分でも総需要の約5%(9万2千t)の需要が消失した。これは中規模製糖工場一つ分とも言われており、さらに年間消費量が170万t台に突入すると現稼働の製糖工場一つは不要になるという指摘もある。

今回の統合は生産技術、コスト管理、物流・原料調達力の向上などを狙いとしているが、稼働率低下など、いざという時の大きな保険を手に入れたとも言える。

また、北海道のビート工場はこれまで、ホクレン、北海道糖業(三井製糖子会社)、日本甜菜製糖と3社体制だったが、その内の2社はこれから親戚となる見込み。

まだ合意の発表だけで具体的な中身については公表されていないが、砂糖消費の減少が続く中で先手を打った3社と、これを受けて他の製糖会社の動向が注目されることになった。