食パン、付加価値競争が白熱 もち麦、減塩など切り口に新商品活況

近年、食感や味を追求した「高級食パン専門店」が話題だが、山崎製パンの19年12月期決算では食パン部門が前年比100%と横ばいながら、品質の高さが好評の「ロイヤルブレッド」が109・1%、独自製法でしっとり感とふんわりソフトな食感の「ふんわり食パン」が102・2%、小麦の豊かな味わいともちもち食感の「新食感宣言ルヴァン」が120%といったように差別化された商品が好調に推移している。

こうした状況下、名古屋市に本社を構える敷島製パン(盛田淳夫社長)とフジパン(安田智彦社長)は3月1日、健康志向の新しい“付加価値”食パンを発売した。

今年100周年を迎える敷島製パンは、「バラエティブレッド」シリーズに「もち麦入り食パン」(6枚スライス、3枚入りの2種)を新しくラインアップした。食物繊維を豊富に含み、腸内環境を整え、糖質の吸収を抑えるなどの働きが期待されるなど注目を集めるもち麦。そのほか、オーツ麦粉、オーツ麦フレーク、焙煎大麦粉などを配合することで、食物繊維が1枚当たり3.5g含まれている。また「バラエティブレッド」シリーズでは、全粒粉入り、ライ麦パン、くるみ、レーズンが販売されている。

一方、「本仕込」ブランドを展開するフジパンでは、塩分を80%カットした「減塩食パン」(2枚入り)を発売した。

「パンは食べたいけれど塩分制限でパンを控えている」などの声に応えて開発に着手。製法の工夫と塩分の少ない塩を使用することで塩分80%カットが可能になった。1枚当たりの食塩相当量は0.14g。

減塩商品の市場は近年大幅に拡大。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会報告書」では「成人の食塩摂取量を1日6g未満が望ましい」と、これまでより0.5g低い数値が発表されるなど、減塩ニーズはさらに高まっていくとみられている。