今年も“神泡”で拡大へ 良質な接点作りに努める サントリービール

サントリービールが販売する「ザ・プレミアム・モルツ(プレモル)」ブランドは昨年も前年比101%(1千726万箱・大瓶換算)で着地。特に業務用の樽は104%(906万箱)と、厳しい市場の中でも好成績を収めた。今年は3年目となる神泡マーケティングを深化させ、前年超えを狙う。

昨年までの2年にわたる神泡マーケティングの結果、3万9千の飲食店が採用。神泡品質提供店での出数は約4億杯。家庭用の神泡サーバー投入による接点数は約750万に達し、新規ユーザーのエントリーや購入容量が拡大したという。

今年は年間を通したブランドメッセージとして「つまり、ビールは、神泡。」を掲げ、品質向上とプロモーション強化を図る。

今年の神泡マーケティングのポイントは

①独自価値
②体験
③ストーリー化

――の3点を通じたファン化の促進だ。昨年12月時点での神泡の認知度は、ビール類ユーザーの約5割、体験は約2割だったが、これを「神泡マーケティングを広げる余地がある」(和田龍夫執行役員マーケティング本部長)とみて、未体験者に拡大したい考えだ。

「独自価値」とはプレミアムならではの最高のおいしさのこと。今年は「プレモル」「同香るエール」を2月に同時刷新。新たに開発した神泡リッチ製法で味と泡品質を同時に向上させた。また、缶体も質感のあるデザインに変更している。

二つ目のポイントである「体験」の一つに自宅で使える神泡サーバーがあるが、「自分で丁寧に注ぐのが楽しい」といった声が寄せられ、神泡を作る行為自体が価値化するとの気付きを得たという。ここから「上手に泡ができるとうれしい」という「ストーリー」が生まれ、ファン化につながるとみる。

東海道新幹線の車内販売には「プレモル」に加えて「同香るエール」も導入。ビール各社からは1銘柄が採用されているが同社のみ2本となる。訪日外国人には「同香るエール」が好評という。

家庭用では、缶に取り付ける神泡サーバーを改良した「神泡サーバー2020」を導入。より小型化し、磁石で冷蔵庫に取り付けることもできる。注ぐ際の仕上げに使うことを“仕上げの神泡”と名付け、新たな概念作りに挑む。

料飲店では注ぎ手に焦点を当てるブランディングを展開。「プレミアム達人店」を「“神泡”達人店」に名称を変更する。また樽生ビールを設置できない店舗向けには、缶専用の全自動神泡サーバーを展開する。

今年の目標は101%(1千735万箱)。西田英一郎社長は「目標を超えるように努力する」と意欲的だが「数ばかり追うのではなく、家庭用・業務用共に良質な接点作りに努めたい」と話している。