国分グループ、第10次長計総仕上げ 戦略5業態の取組強化

国分グループ本社の國分晃社長は3日、前期決算の振り返りと今年度の基本方針について次のように説明した。

前期(19年度)は物流費の高騰をカバーできず、微増収減益の決算となったが、imapの活用による収益管理の徹底、関西総合センター開設による全国16か所の3温度帯センター網の構築、ラグビーW杯・全国12会場におけるハイネケンビールの取り組み(欠品ゼロ・最適温度の納入)など、「一定の成果を挙げることができた」とした。

第10次長期経営計画の最終年度となる今期は「総仕上げを進めながら、次期長計を策定する重要な1年」と位置付ける。定量目標の売上高2兆円、経常利益180億円の達成に向けて、戦略5業態(外食、中食、健康・介護、ネット/通販、メーカー)の強化、地域密着・全国卸の推進、海外事業の基幹事業化、総マーケティング人材化による戦略部門への人材シフトを加速する方針を示した。

戦略5業態の強化では、「外食」は全国配備を完了した3温度帯センター網をフルに活用。ラグビーW杯でのハイネケンビールの一括供給を成功事例に、東京五輪に向けた取り組み強化を進める。

「中食」では、人手不足など小売業の課題解決を推進。生鮮の一次加工業務や保存性のある真空調理技術を活用した商品開発、バックヤードの負担軽減につながる機能提供を進める。

低温分野では、国分フードクリエイトのオリジナル商品を拡充。高たんぱくヨーグルトや低糖質、オーガニックなど、市場トレンドを捉えた商品提案・開発を強化する。

「健康・介護」では、各エリアで健康意識の醸成に貢献する店頭イベントの実施、日本食楽健康協会のロカボマークを添付した低糖質商品など、グループ各社の取り組みを強化。幅広い小売業とのネットワークを活かした健康軸の商品開発など、さまざまなコラボレーションを展開する。

「ネット/通販」では、3月1日付で国分首都圏第一営業部傘下に第四支社を新設。ネット/通販・EC事業者向けの取引拡大を図る。1万6千アイテムを取り扱う問屋国分ネット卸を活用し、ドロップシッピング方式で小売業のEC事業拡大を支援するほか、各エリアカンパニーと連携し、魅力ある地域産品の発掘、販売支援を進める。

「メーカー」向けでは、営業販促代行、輸出支援など、メーカーとの取り組みをさらに深める。

「地域密着・全国卸」の取り組みでは、グループ本社、エリアカンパニー、カテゴリーカンパニーの連携を一層強化。昨年から社内表彰制度「Na-gional(ナジョナル)大賞」を立ち上げ、各エリアでの成功事例の共有・水平展開を図っている。例えば、国分北海道では地元自治体と連携した地場メーカーの商品開発支援、販路拡大にかかわるコンサル機能などを発揮しており、「こうした取り組みを広げ、地域の活性化と課題解決につなげていく」と意気込みを示した。

海外事業の基幹事業化では、貿易・中国・アセアンの3本柱で事業拡大を図る。貿易事業は輸出売上額が昨年94億円と、年間100億円規模の事業に育ってきており、グループの新潟酒販の調達力を生かした新潟清酒やアイス、菓子など日本産食品の輸出拡大を推進する。

中国向けは、新型コロナの影響も懸念されるが、今後の日中関係改善を起爆剤としたい考え。アセアンは、今春にもマレーシアの3温度帯センターが完成予定で、インドシナ半島でのコールドチェーンをさらに強化する。

なお、新型コロナウイルスの影響について、業務用ユーザーの売上減少を懸念。調達面では包装資材の供給遅延等が予想されるが、現時点で大きな支障はない。危機管理委員会で指針を定め、情報共有と対策徹底を図っている。