新ジャンルは3本柱で勝負 基本に統合型マーケティング アサヒビール

アサヒビールは今年の事業方針で「スーパードライ」に最注力する方針を掲げているが、新ジャンル(第3のビール)は今年10月の酒税増税後も大きな存在感を示すとみて「クリアアサヒ」「極上〈キレ味〉」に加え、新商品「アサヒ ザ・リッチ」の3本柱で勝負する。

昨年の新ジャンル市場は各社が相次いで新商品を投入し、またマーケティング投資を活発化させたことから前年比104%(PB込み)とプラス推移だった。同社新ジャンルも102%と前年超え。ただ主力の「クリアアサヒ」は86・4%だった。ロイヤルユーザーに支えられているものの競争の激化やマーケティング投資の減少が響いた形だ。昨年は中味を含めてマーケティングの在り方を刷新したところ、減少に歯止めがかかる兆しという。

昨年12月中旬製造分より順次中味と缶体を刷新。「クリアアサヒ」とともに楽しむ食卓シーンを提案する販促を通年で展開予定。

昨年1月投入の「極上〈キレ味〉」は528万箱となり、9月に上方修正した販売目標500万箱を上回った。3月上旬製造分から中味、缶体ともに刷新する。

同社では1年ほど前からモノが主体だったマーケティングの根幹を、「どうすれば消費者の心・行動に響くか」に変える取り組みを進めている。これまでは「商品が主役になりがちだった」(松山一雄専務取締役マーケティング本部長)が、「消費者が主役に、を徹底し、すべての接点で一貫性のある、魅力的なブランド価値を確立する『統合型マーケティング』を基本にした」(同)といい、「新ジャンルでも、商品のスペックありき、ではなく、消費者のハートをわしづかみできる、魅力あるブランド価値創造に注力する」(同)と話す。

新ジャンル市場では「日常的に、気軽に楽しめて、ちょっと幸せな気分になれる飲みもの」といった価値が確立されているとみるが、調査結果を踏まえ「もっと本格的な味わい、もっと贅沢な気分になりたい」というニーズが充足されていないとみる。

この、満たされていないニーズに対して3月17日に「アサヒ ザ・リッチ」を発売。“ライバルはプレミアム”を掲げ、気軽に上質さ、贅沢感を味わえる「デイリープレミアム」という新しい価値を打ち出す。

同社新ジャンルで最大級の原麦汁エキス濃度にした上、同社初の微煮沸製法を採ることでコク深い味わいを実現。チェコ・ザーツ産のアロマホップを一部使用し、爽やかでバランスのとれた香りとした。

最近のコク系ビール類はホップを効かせる傾向があるが、ホップが強いと連続して飲みにくいことから、ホップ香を抑える設計を採用した。350㎖、500㎖缶を展開。販売目標は400万箱(大瓶換算)。価格は一般的な新ジャンルと同等。