工場の計画をAIで立案 人手不足対応などに期待 ニチレイフーズ×日立

冷凍食品大手のニチレイフーズは、日立製作所の計画最適化サービスを導入し、これまで熟練者が行ってきた工場の生産計画、要員計画を自動立案するシステムを構築する。人手不足への対応や、熟練者を付加価値の高い仕事に回すことで、より生産性を向上させることなどが狙いだ。

これまでは独自に開発した生産管理・支援システムを使って生産計画、要員計画を立案していたが、1工場当たり16兆通りの組み合わせがある上、法規制や労働安全性といった絶対条件や、複合的な条件を踏まえて熟練者が勘と経験で調整する裁量条件を加味しなければならず、特に裁量条件は従来のプログラミングでは解決できなかった。

日立製作所はデジタル技術を活用したソリューションサービス等を展開。17年には職人の機転をデジタル化する計画最適化サービスを開始している。

今回の核となるのは、ビッグデータ解析技術で職人の計画を再現し、最適化した計画を即座に立案するMLCPという、日立独自の機械学習・最適化エンジンだ。過去データで職人の機転を学習することで柔軟な計画が立案でき、また条件・課題に対応したり評価指標に合わせたりして最適で高品質な計画ができるようになった。明文化されていない制約条件も把握できるという。

ニチレイフーズの安居之雅技術戦略部長は「これまでは、せいぜい1~2か月先までの計画立案が限界だったが、導入で2~3年後も見通せるようになり、問題が生じても瞬時に組み替えられる」と話す。また「人手不足の中で工場の生産がどのような状況になるのかを見据えた人材育成を考える必要があり、このシステムに中長期的に期待するところ」と語る。

モデルとなる4工場を選定し過去データを学習させた。シミュレーションでは、ラインが生産できない時間となる型替え時間が5割弱削減、休暇希望取得率は100%となった。適正在庫乖離率も3割弱削減でき、在庫の圧縮にも期待がかかる。

生産工場での取り組みだが、物流・原材料調達にも波及効果が期待でき、農家との関係にも好影響があるとみる。

今回導入のサービスは、パッケージ商品ではなく、個々の企業に合わせたシステム構築が可能。ニチレイフーズはさまざまな情報を集める中、セミナーで日立製作所の取り組みを知ったという。

物理的な設備導入はサーバーのみ。クラウド型サービスとして導入する。

熟練者が消える懸念もあるが安居氏は「消えるわけではなく、付加価値を上げるためのキーマンになるだろう」といい、また「食品工場での勘所は大切にする。両立することで育成もやりやすくなる」としている。

4工場での検証後に11工場に広げ、将来的にはタイの工場での展開も視野に入れている。