海洋ごみ 流出メカニズム解明 モラル問題と社会環境も影響 日本コカ・コーラと日本財団が調査

海洋ごみが社会問題になる中で、日本財団と日本コカ・コーラは昨年4月から12月にかけて海洋ごみ対策とプラスチック資源の適切な回収及び循環利用促進を目指し、「陸域から河川への廃棄物流出メカニズムの共同調査」を行った。

海洋ごみの発生メカニズムを調べ、企業や自治体による効果的な施策とPETボトルなどプラスチック資源の循環利用促進等を目的として実施。対象は、神奈川県・東京都、富山県、福岡県、岡山県の河川流域。発生原因は大きく「破棄・ぽい捨て系」と「漏洩系」に大別されことから、「ごみの発生源把握(どこから・なぜごみが発生しているか)」を重視して調査・分析した。

その中で投棄・ぽい捨て系は、“モラルの問題”と一括りにされてきたが、社会的な問題や産業構造等が要因で投棄・ぽい捨てせざるを得ない状況も発生していることが明らかになった。例えばマンションのごみ収集日は比較的多いが、戸建て住宅は収集時間が厳密で、生活時間と合致しないなどの原因もわかった。

コカ・コーラの容器軽量化の歴史
コカ・コーラの容器軽量化の歴史

一方、漏洩系は、ごみを集積している地点からの漏洩、災害時の応急処置で使用され経年劣化した製品や農業資材の流出を確認。事業所・河川・道路等の適切な管理や、製品の代替素材開発と利用促進等の対策が必要であることがわかった。

これらの調査を通して日本財団では、市民のモラルに訴えるだけでは対策として不十分であることから、自治体や企業、NPO等、流域のステークホルダーが連携し実態を把握した上で適切に問題解決にあたることが必要と判断。日本財団では、「ごみ問題はモラルが問題と言われてきたが、一方で今の社会構造の中で出るごみもある。ここに働きかけ底上げしてゆく必要がある」(海野光行日本財団常務理)と指摘。

回収ボックスからの漏洩対策調査に使用するアプリ(日本コカ・コーラ)
回収ボックスからの漏洩対策調査に使用するアプリ(日本コカ・コーラ)

そこで日本財団と日本コカ・コーラは、今後のアクションプランを策定。日本財団は、海洋ごみ対策と資源循環システムを実施するため、現行制度に対する問題提起を提言。メーカーや小売などバリューチェーンを構成する企業と連携し、製品や販売手法の開発を促進していく。

日本コカ・コーラでは、飲料空容器の「漏洩」が発生していることが確認された自販機横の空容器回収ボックスからの漏洩対策については、コカ・コーラシステムとしても最優先で取り組む方針を明らかにした。その一環として独自開発した調査アプリを活用し、定常的に漏洩の発生している空容器回収ボックスを特定し、河川に近い(目安として10m圏内)回収ボックスより優先的に、増設や回収頻度の向上などの対策を講じる。すでに北陸エリアにおいて、北陸コカ・コーラボトリングの協力のもと、富山県内の一部区域における調査を開始した。

「自販機回収ボックス漏洩を調査」 柴田充日本コカ・コーラ環境サスティナビリティ部長の話

柴田充氏(日本コカ・コーラ)
柴田充氏(日本コカ・コーラ)

残念だが回収ルートから外れた一部のPETボトルが海に流れており、様々なアクションが必要だ。

なかでも着目すべきことは自販機横のリサイクルボックスで、ごみがあふれている。町田駅周辺の自販機100台のリサイクルボックスを調査した結果、期間内に1回でも漏洩があった回収ボックスの比率は56%だった。

これらと河川調査との関係性を調べ、現状把握したうえで可視化、ビックデータ化して、優先順位をつけてアクションをおこし、今回をそのための第一歩としたい。行政や業界団体を通じて現行の法制度にも働きかけをしたい。