五輪期間中の物流体制 早急な検討・対策を要請 日食協

日本加工食品卸協会(國分晃会長)は2月19日、東京オリンピック・パラリンピック大会期間中の物流体制について、メーカー各社に早急な検討を要請した。開催まで5か月を切る中、交通規制等の状況が不透明なため大会期間中の物流体制に関する協議が遅れており、卸側では期間中の商品供給体制など双方の情報共有と具体的な対策検討が急務と危機感を強めている。

大会期間中は選手・関係者の道路利用により、首都高では1日あたり約7万台の交通量増加が見込まれている。東京都や組織委員会では交通量の抑制・平準化に向けた「交通需要マネジメント(TDM)」を策定。競技場周辺など都心部(重点地区)では通常の30%減、東京圏(圏央道内側)では10%減を目指し、各団体・事業者に交通量抑制の取り組み策定を求めている。

日食協では、東京都のTDM推進プロジェクトをもとに資料を作成。会員卸各社がすでに対策・準備を開始しているが、交通規制等の状況が不透明なため、商品調達や配送計画など「メーカー・卸双方で互いに詰め切れていない」という。

TDMプロジェクトのスケジュールでは、年明けにも各企業がアクションプランを作成。大会100日前の4月までに実施準備を終える計画だがその対応は遅れており、卸側では早期に小売業・外食業に具体的な案内、提案ができるよう、メーカー各社に「早期に会員卸各社との具体的な協議を開始していただき、双方の事情を踏まえた課題共有と対応策の策定」をあらためて要請した。

ネックとなっているのは、交通の規制状況が未だ不明なこと。臨海部に拠点を構える業務用卸では「地元警察にも情報が下りていない」と困惑する声も聞かれるが、今後も東京都のTDMプロジェクト以上の資料公開はない模様。もはや現状の資料をもとに各社が物流計画を決定するしかないようだ。

大会期間は2か月の長丁場となる。卸はメーカーの商品供給計画を把握し、納品回数・時間等の検討、得意先小売業・外食ユーザーとの配送計画の策定に入るが、「現状では情報が少なく、作業が遅れている」と危機感を強めている。

円滑な物流確保に向けた取り組み例として、納品時期の変更・前倒し、混雑時間・地域の回避、リードタイムの延長・検品レス、共同配送などサプライチェーンの見直しによる物流平準化、新商品発売時期の変更などが挙げられているが、準備期間は限られる。新型コロナウイルスの影響も深刻化する中で、五輪開催に向けた準備も大きな課題となっており製配販の連携強化が求められている。