海苔供給量 なんとか前年並みで折り返し 暖冬警戒、早めの手当で単価上昇

今年度の海苔共販が1月31日の折り返し点を過ぎた。46年ぶりの大凶作となった昨年度と比較して枚数で0.4%減のほぼ前年並み(25億3千800万枚)、平均単価は3.6%高(14円85銭、1枚当たり)となっている。2月6日時点では枚数が前年比13%増まで持ち直しているが、依然として単価が下がらない。基本的に各社が在庫不足気味であり、今年も暖冬(ここ1週間は寒波)のため早めの必要量確保で相場は上げ傾向が続いている。

昨年度は最終的には約63億枚しか採れず、46年ぶり大凶作で世間を騒がせた。平成12年の有明海の諌早湾干拓問題と絡んで騒がれた“有明大不作”でも約82億9千万枚は採れたことから考えると、大不作のレベルもここ20年でかなり低下したことが分かる。

今年度は気象予想通りの暖冬となり海苔漁期のスタートも遅れた。そして共販が11月末からスタートすると量的な不足感もあり、すぐに相場は上昇。12月15日時点で平均単価は約12%高、12月31日時点では7.6%高となっていた。この頃の海苔はいわゆる「秋芽」と呼ばれる「初摘み」「一番摘み」と表現される高級海苔で、それを贈答海苔店などが仕入れる。昨年の状況から高値スタートは予想されてはいたが、かなり苦しい仕入れコストになったことは間違いない。

そして令和2年も明け、「あったかいお正月だった」と仕事始めの何気ない会話も聞こえるが、海苔など海藻養殖にとっては全く喜べない環境。基本的に海水温は12~13度以下が望ましく、これに適度な降雨があれば一安心。しかし、今年も昨年と負けず劣らず暖冬であり、1月28日には大阪で気温19度超を記録(104年ぶり)するなど全国的にも暖かい。その中で、何とか1枚でも多く海苔を採っているというのが現状だ。

ここ1週間は待望の寒波が来たが、どこまで居座ってくれるか。すでに後半戦が始まっているが、現在は海苔需要の約3割を占めるコンビニ向けの仕入れが佳境を迎えている。年々遅れがちになるコンビニ仕入れだが、これがヤマ場となり、その後の相場にも影響する。

また、昨年の大凶作騒ぎで海苔の値上げに対する理解は早かったが、これ以上の値上げは避けたいのが海苔業界の本心だろう。すでに4年連続や少なくもここ5年で2~3回の値上げを実施してきており、「今年も値上げか」などと不満を言われたらさすがに立つ瀬がない。

もちろん輸入海苔はある。国内の海苔需要は約80億枚あり、すでに国産だけでは足りず輸入海苔(韓国産、中国産)で穴埋めしている。先ごろ発表された今年度の輸入枠は前年から2億4千万枚増えて総枠32億1千600万枚(干しのり、味付け、調製品)となった。ただ、輸入海苔も安くはない。量的な不足を埋めているだけだ。ある意味で昨年以上に海苔業界が固唾を飲んで見つめる後半漁期が始まっている。