苦難の塩に光明射すか キティちゃんが後押し

塩事業センター(東京都品川区、津田健理事長)が昨年11月に発売した「HELLO KITTY 食卓塩」が若年層や外国人訪日旅行者の間で話題を集めている。同商品はサンリオとのコラボ商品として開発したもの。12月末まではサンリオショップの一部店舗で先行販売していたが、今春からは全国の塩元売を通し、量販向け販売をスタートしている。

塩市場は専業制廃止以降、自由販売競争の激化による価格下落に加え、「減塩」潮流の中で需要減が続いているが、同商品のヒットは近年にない明るいニュースだ。

塩事業センターは昨年4月、家庭用商品の価格改定を実施、これをうけ特殊製法塩など業界が一斉に値上げに動いた。

価格改定はスムーズに受け入れられた模様だが、「高騰した諸コストの一部をカバーできただけ。このままでは厳しい」が、メーカーの本音だろう。

安全安心な塩を国内に供給するため、国内製塩業は毎年多大な設備更新が必要だが、潤沢な設備投資費を持つ製塩メーカーは、もはや少なくなっているのが現状。

塩事業センターには「HELLO KITTY 食卓塩」に続く商品開発を期待したいが、それに加え、中長期的な視座に立った業界の活性化策が必要だ。昨年に続く暖冬のため融雪用の追加受注を得られない塩元売は「異常気象が当たり前になってきている。事業モデルの見直しも必要だ」との考えを強めている。

塩事業法に基づく安心安全な塩を安定供給する使命と、社会が大きく変化する中で事業の持続的成長とを両立させねばならないダブルバインド。これをクリアするには、これまで以上に業界の結束が必要となる。