今年は結果を出す年 オリンピック特需にも期待 日清食品チルド 伊地知稔彦社長

「価格改定、冷夏、消費増税、暖冬…。2019年はイベントが多かった」と語る伊地知稔彦社長。2019年度のチルド麺市場は、7月の冷夏、冬場の暖冬といった逆風もあり、前年割れでの着地見通しとなっているが、同社はラーメン、冷し中華の健闘に加え、和物(うどん、そば)の伸びもあり前年並みでの着地予想と市場水準を上回る見通し。2020年度については「例年通りの夏であれば」という前提ながら大幅増を目指す。「グループ中期経営計画の最終年度でもあり、結果を出す年」と語る伊地知社長が、2019年度の概況と2020年度の意気込みについて語った。

「付加価値生むマーケティングを」

今期のチルド麺は冷夏と暖冬のダブルパンチ。季節に売れるべき商品がなかなか売れない状況だった。加えて、秋には消費増税もあった。食品は軽減税率の対象だったが、増税後の消費者の買い物動向に若干影響が出てきている。ジャンル別では、冷し中華が(冷夏の影響で)異常な数字だった。ラーメンは若干上向き。全体の中ではラーメンが比較的堅調にきている。食数別で見ると、3食市場は相変わらずダウンが続き、2食市場は比較的安定している。弊社が力を入れている1食は、素材型こそ厳しい状況だが、スープ付き、容器入りは比較的堅調だ。

素材型の3食市場は今後も厳しい状況が続くだろう。付加価値型の1食のマーケットはわれわれ含め、メーカーの取り組み次第で発展の余地があり、この傾向は加速していくものと見ている。そうした状況下、どのような方向にモノ作りを進めていくかということだ。コモディティも大事だが、付加価値をいかに生んでいくかという方向に技術や、マーケティングを集中させていこうと考えている。

弊社の通期業績見通しだが、金額ベースでは前年並みで落ち着くとみている。和物(うどん・そば等)の伸びが若干高くなっているが、これはアルミ鍋の商品に力を入れてきたことによるもの。「日清のどん兵衛」ブランドのうどん、そばが寄与している。冷し中華は即食タイプ「日清のそのまんま麺」の冷し商品が純増。焼そばは厳しい競合関係に加え、4月の価格改定に伴う売価是正が影響している。

ブランド別では「日清のラーメン屋さん」「まぜ麺の匠」「つけ麺の達人」「鍋焼 日清のどん兵衛」が好調。「日清のラーメン屋さん」は、湯切り不要、簡単に作れる商品に変えてから非常に好調だ。この秋冬も中身を見直し、デザインもブラッシュアップをかけたことで非常に大きく伸びている。まぜ麺については、テレビ番組の影響もあり小売さまがまぜ麺のSKUを増やしたり、積極的に販売をされているという流れがある。汁なし系まぜ麺もかなり大きな伸び率である。つけ麺も「つけ麺の達人」は№1のシェアをいただいているが、順調に伸びている。春と秋に麺の増量のキャンペーンを実施した。このあたりが売上げ増の一因。鍋焼、アルミ鍋の商品を積極的に展開してきた。昨秋は「鍋焼 日清のどん兵衛 天ぷらそば」を新商品として加えた。この分野が大きく売上げを伸ばしている。

2020年度上期については、例年通りの夏がくれば売上げは増加するはず。冷し中華等の増加に加え、オリンピック・パラリンピックに伴い内食機会が拡大するものと思われる。弊社は「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」のオフィシャル麺パートナー。チルド麺でも「日清 東京2020大会応援デザイン 東京トリオ」(3月1日発売)などの商品を展開し、オリンピック特需を見込む。2020年度については「簡便」「個食」「完結型」に「本格」を加えて、付加価値をどういう形で商品展開していくかということを考えている。