ソフトバンク×旭食品 食品輸出事業で連携開始 輸出から観光振興も構想

ソフトバンクの社内起業制度から昨年4月に会社化したumamill(ウマミル)と、食品卸売業の旭食品は食品輸出事業の支援に関する連携協定を締結。1月16日に東京都内で調印式を行った。協定により旭食品はウマミルのサービスにおいて四国4県のメーカーなどに対する独占的なサポートを行うことになった。

ウマミルはデジタルシステムを活用して食品の輸出支援を行うフルサポート型BtoBサービスのプラットフォームを運営。法律面の確認や手続き・商談・輸送の代行、需要調査、販路開拓などの支援を行う。国内の生産者やメーカーがウマミルのWebサイトに登録・出展した情報を海外バイヤーが確認。試食品の注文があれば、国内側は指定の場所まで発送すればウマミルが現地へ届ける仕組みだ。

19年末時点で日本メーカー数234社、出展商品数は1千強SKU、海外側は130を超える飲食店や商社が登録している。現在はシンガポールのみだが、今年中に香港を加える予定。その後の展開も英語圏を中心に検討を進めている。

ウマミルの佐藤晶洋CEOは「内需は減少傾向だがTPPなどの規制緩和もあり食品分野は大きなゲームチェンジの時を迎えている」といい、「国内だけで展開する企業は苦しい戦いを強いられる」と予想。「テクノロジーの力で支援したい」と語る。

ただ、認知は不十分なため、地域産業を盛り上げる観点から各地の自治体や地方銀行らと連携し、紹介してもらう取り組みも進めている。

地域の有力企業を「地域サポーター」として商流にも入ってもらう形で連携し、取引のあるメーカーらにウマミルを紹介してもらい、また出展管理などを取りまとめてもらう取り組みも始めた。昨年10月には名鉄協商が初の地域サポーターとなり、東海4県の食品メーカーをサポートする。

旭食品はこの制度2例目の地域サポーターとなり、四国では独占的に、また取引のある他地域のメーカーらをサポート。メーカー側は輸出の機会を得るだけでなく、旭食品との関係を強化できることもメリットだろう。

旭食品は5年ほど前から本格的に輸出に取り組み始めたが問題点も多かったという。竹内孝三郎海外事業本部長は「メーカー・生産者が力を込めた商品を海外の顧客に伝えられないもどかしさがあり、問屋としてできることは何かと悩んでいた」と話すが、報道でウマミルを知り興味を抱いたことから連携の話につながった。竹内本部長は「四国のメーカーから始めて派生させていきたい」と意気込み、展示会で紹介を重ねていく。

ウマミル側はデータを蓄積。将来的には現地の食生活の実態を分析したい考えだ。旭食品も「中堅メーカーが海外進出するための商品開発の参考になるデータを提供できれば」と期待する。

佐藤CEOは、取り組みの本質は外需の取り込みにあるとし、アウトバウンド振興だけでなく、その先のインバウンドも見据えた展開を構想。輸出することで現地に産地の魅力を発信するポイントができることを生かし、直接産地に訪れようとするファンを作りたいとしており、観光の振興にもつながるとみる。自治体や金融機関、地場の有力企業との連携はこの構想の中での取り組みだといい、「内需減少の中では外需取り込みは必須だ。余力のあるうちにメーカーらと一緒に取り組みたい」と話している。