アサヒ飲料、炭酸カテゴリーを強化 主要ブランド軸足に1億ケース目標

アサヒ飲料は今期(12月期)、「三ツ矢」「ウィルキンソン」など主要ブランドを中心に炭酸カテゴリーを強化していく方針を明らかにした。

これについて20日、都内で事業方針説明会に臨んだ岸上克彦社長は「アサヒ飲料の顔としてのお客さまにご理解いただけるカテゴリーを考えた。今期は、炭酸とアサヒ飲料が独自のノウハウを持つ健康基軸――この2つをブランディングの中心に位置づけていく」と説明する。

今期の飲料トータルの販売目標は前年比2%増の2億7千50万ケース。この中で、炭酸カテゴリー計では7%増の1億ケースを計画する。

「三ツ矢」で4.7%増の4千100万ケース、「ウィルキンソン」で11・3%増の3千万ケースと、それぞれ過去最高の販売数量を目指していくとともに、「カルピスソーダ」や「モンスターエナジー」などの炭酸飲料も強化していく。

炭酸強化には、オリンピック・パラリンピック開催によるインバウンド需要拡大予測も背景にある。

「グローバルでみても炭酸飲料というのは非常に幅広いカテゴリー。日本に素晴らしい炭酸飲料があるということを海外の方にも強くご認識いただきたい」と語る。

炭酸の主要ブランド「三ツ矢」「ウィルキンソン」(アサヒ飲料)
炭酸の主要ブランド「三ツ矢」「ウィルキンソン」(アサヒ飲料)

インバウンド需要対策としては自販機や商品で外国語対応を強化していく考えで、3月上旬にパッケージを刷新してリニューアル発売する「ウィルキンソン」の裏面には、英語表記で感謝と炭酸水市場売上№1を大きくあしらっている。

「三ツ矢サイダー」もラベルを軽量化し3年ぶりにパッケージを刷新して4月上旬に発売する。「三ツ矢サイダー」を氷点下に冷却販売する自販機には英語表記のPOPを付けて無色透明な有糖炭酸で№1であることを訴求していく。

中長期的には炭酸水の研究を推進する。「炭酸カテゴリーを強みに持つメーカーとして炭酸水が心身に及ぼす影響に関する研究を強化していく」。

炭酸強化に加えて新価値創造商品の投入も事業方針の柱に掲げ、3月から5月にかけて「カルピス」ブランドから豆乳を発酵させてつくった「GREEN CALPIS」や植物性ミルクを使用した新ブランド「PLANT TIME」を順次投入していく。

「極力“運ばない物流”に」 岸上社長

今年の市場見通しについて岸上社長は、飲料の最需要期にオリンピックが開催されることで若干上向くとみているが、「飲料は天候に非常に左右されるカテゴリーで、気候クライシスがリスクとしてある」と危機感を抱く。

気候変動で想定外をなくしてドライバー不足などにも対応するため、アサヒ飲料では最適生産物流体制を整備している。

具体的には、国内を4ブロックに分けていた生産物流体制を6ブロックにしてきめ細かく対応。自社工場のないエリアでは委託工場とのアライアンスを推進するとともに、東西の大きな物流拠点に加えてエリアごとに倉庫を新設して「極力“運ばない物流”を強化していく」。

予測しにくい気候変動を受けて、1月1日付で組織改定を行い需給予測も強化していく。生産・調達・物流本部で生産と生産計画を一手に行っていたのを改め「計画をよりクローズアップする必要がある」との考えの下、同本部を生産本部に改定するとともにSCM本部を新設し、SCM本部が需給予測を専門的に行っていく。

大越洋二常務執行役員マーケティング本部長は、混乱が危惧されるオリンピック開催期間の物流について「われわれだけでできることではない。早めにお得意先さま(小売店)からご注文をいただき、お得意先さまにも荷受時間についてご協力いただけるように営業と生産の連携が大事になってくる」と述べる。

商品面での自然災害対策としては「おいしい水」ブランドから賞味期限6年の長期保存水を3月3日に新発売するほか「飲料事業のインフラを活用した防災備蓄用の買い換えや災害時に必要な情報提供なども検討していく」(岸上社長)。

自然災害対策と並ぶ社会課題への取り組みとして海洋プラスチック問題にも注力。「おいしい水」のラベルレスボトルでは制度が変更され次第、タックシールを貼付しない完全ラベルレスボトルを発売できるように準備を進めている。「三ツ矢サイダー」でも500㎖PETラベルを軽量化し年間60tのプラスチック樹脂削減を見込む。

昨年7月から「カルピスウォーター」の一部で採用開始したリサイクルPET含有ボトルは今後、「三ツ矢サイダー」「カルピスソーダ」「ウィルキンソン」などにも採用される。