安売りはしねぇぜ!

近所にある焼肉店。夫婦2人で営む小さな店だが、肉質にはこだわり、地域周辺でもかなりアッパーな値付けながら人気を博している。そんな彼らが近く新店を出すという。コンセプトは「ご馳走とんかつ」。「今はスーパーやコンビニなどで手軽にとんかつが買える。だからこそ外食では一段も二段も上のメニューを提供したい」と店主は語る。

▼帝国データバンクによる昨年の飲食店事業者の倒産件数は、11月時点で既に668件と前年の653件を上回る過去最多ペースで推移。10月の消費税増税が外食業界に与えたインパクトは想定以上に大きく、客離れが加速。その中で優勝劣敗をより鮮明に浮き上がらせた。

▼消費者の節約志向はさらに強まるとみられているが、価格一辺倒の居酒屋は忌避される。外食と中食・内食の使い分けが進み安く済ますなら家飲みで十分ということなのだろう。

▼流行り廃りが激しい飲食業界にあって、5年、10年と店を続けるのは並大抵ではない。「だからって、自分も商品も安売りしちゃだめでしょ」。さらりと言う店主の男前が一段上がった。