中四国小売業界 地域スーパーめぐり陣取合戦 フジが広島のニチエーを子会社化

中四国地方の小売業界でスーパーマーケットの再編が加速している。フジ(松山市)は14日、広島県福山市に本社を置くニチエーを子会社化すると発表。スーパー11店舗と生鮮加工施設、従業員を引き継ぐ。昨年11月にはイズミ(広島市)が香川県のスーパー、マルヨシセンターと資本業務提携した。フジはイオン、イズミはセブン&アイ・ホールディングスとの関係をそれぞれ強化しており、中四国のローカルスーパーをめぐる大手グループの陣取り合戦の様相を呈している。

フジはニチエーの会社分割により新設する新会社の全株式を取得、完全子会社とする。ニチエーは1962年に設立、広島県東部を中心に11店舗を展開しており、19年5月期の売上高は90億円。フジは広島県東部に大型店3店舗を展開しているが、スーパーは県西部が中心で東部は手薄だった。このほかにもフジでは昨年閉店した広島県呉市の三和ストアーからスーパー3店舗を引き継ぎ、子会社のフジマートが運営している。

一方のイズミは昨年11月に、四国3県(香川、愛媛、徳島)でスーパー36店を運営するマルヨシセンターと提携。四国では15年にも徳島県のデイリーマートと提携している。

域外から進攻を続けるドラッグストアやディスカウントストアとの競争、人口減によるマーケットの縮小、さらに増税以降の消費の冷え込みも追い打ちをかけ、ローカルチェーンが単独で生き残るのがより困難になっている。今回の子会社化にもこうした市場環境が背景にある。

昨年、イオンがフジの筆頭株主となり、フジはマックスバリュ西日本の株を取得。一方でイズミは旧イトーヨーカ堂福山店を引き継ぎ、ゆめタウン福山として開業した。大手ナショナルチェーン2強と関係を強める有力リージョナルチェーン2社が、ローカルスーパーをグループ化しながら勢力を広げる構図となってきた。

中四国に拠点を置くメーカーの支店長は「四国では立て続けに何かが起こっている。まだまだ続くだろう」と話す。

なお、イズミは今年2月にニチリウグループを脱退し、セブンプレミアムの導入を進める方針を示している。今回、フジの傘下に入ったニチエーもニチリウグループに加盟しており、今後の動向は不明だが、PB商品においても2強を中心とした競争が強まる気配だ。