段ボール箱開封を10秒短縮 一部紙のスティック包装も 味の素AGF

社会課題対応に先鞭

味の素AGF社は、商品面で環境保全や人手不足によるローコストオペレーションの追求といった社会課題への対応を加速させる。エシカル消費の浸透が背景。

8日、本社で発表した竹内秀樹取締役副社長執行役員は「われわれの技術でおいしくするのは当たり前。その先には社会課題への対応がある。社会課題への対応にいち早く参入することでわれわれのプレゼンスを高めていきたい」と語った。

環境配慮と人手不足の両方に対応するものとしては、ボトルコーヒー(900㎖以上のPET飲料)と袋入りインスタントコーヒーの梱包資材に採用した段ボール箱「SRP(シェルフ・レディ・パッケージ)」が挙げられる。

これはレンゴーと王子コンテナーの協力を得て開発されたもので、比較的少ない力で開封でき従来品に比べ1箱あたりの開封時間が約10秒短縮されるのが特徴。実演した水間博之包材開発部長は「従来は白いプラスチックテープを結構力を入れて引っ張ることで開封していた。SRPはミシン目に手を突っ込んで簡単に開けられる」と説明した。

2通りの開け方がある(SRP(シェルフ・レディ・パッケージ))
2通りの開け方がある(SRP(シェルフ・レディ・パッケージ))

小売店で商品陳列する際の時間短縮や従業員の労働負担軽減につながるものとして2月から全国で順次導入していく。

そのほかの工夫としては、開けやすさと耐久性を維持するためミシン目は直線ではなく波形となっており、箱買いで家庭内に持ち込む消費者に配慮して二通りの開け方ができるようになっている。

環境面ではプラスチックテープが不要となるため、SRPの導入により年間約3.4tのプラスチック使用量の削減を見込む。

スティックのフィルムに一部紙を採用した新商品「〈ブレンディ〉抹茶一服」(4本)2品も発売する。表層部分を紙とすることで同サイズの同社スティックに対しプラスチック使用量12.3%削減する。

「外装ではなく、一次包装の食品に触れる部分なので苦労した。酸素バリア性などを意識し、お客さまが持たれたときに破れないことなどを確認しながら導入に漕ぎつけた」(水間部長)という。

スティックのフィルムに一部紙を採用した「〈ブレンディ〉スティック カフェオレ エコスタイル」
スティックのフィルムに一部紙を採用した「〈ブレンディ〉スティック カフェオレ エコスタイル」

一部紙を採用したスティックは既に、LOHACO(ロハコ)と共同開発した「〈ブレンディ〉スティックカフェオレ エコスタイル」(30本)に採用され、昨年10月からロハコで販売開始して好調に推移している。

同商品は既存品のカフェオレ30本に純増し、10―11月はカフェオレ30本計で65%増(18年を100としたINDEX比)となった。この動きについて秋山武稔ECビジネス部長は「新規ユーザーをたくさん取り込むことができ、エシカルという面でお客さまを増やすことに想定以上の効果が出ている」と述べた。

通販ではラベルレスの「〈ブレンディ〉ボトルコーヒー」のラインアップを拡大。昨年8月に発売開始した「ラベルレス 無糖900 ㎖」の好評を受け、2月21日から「同 低糖900 ㎖」「同 微糖」を発売する。

プラスチックごみ削減への取り組みが注目される中、マイボトル用のスティック「AGFマイボトルスティック ワン」ブランドを新たに立ち上げ「煎茶」「むぎ茶」「ブラックコーヒー」の3種も同日から通販限定で新発売する。

エシカル消費への取り組みについて、古賀大三郎リテールビジネス部長は「FSC認証紙の使用や森づくりの活動など実際に活動しているものの、まだ生活者に対しての認知・理解が進みきれていない。既に実施している活動をより多くのお客さまに伝えるべくパッケージやサイトでの訴求を今まで以上に強めていく」と意欲をのぞかせた。