来店から会計までスマホのビアレストラン 新システムで人手不足対策も キリンHD

キリンホールディングスはデジタルを活用した取り組みの一環として、Okage社が提供するフルクラウド型のモバイルオーダー&ペイシステム「Okage Go」と、LINE社の法人向けサービス「LINE公式アカウント」とをシステム連携することで、注文から会計までを来店者のスマートフォンで完結する「セルフオーダー&ペイ」を開発し、グループのキリンシティで展開する。また、キリンシティは新ブランドとなるクラフトビールレストラン「クラフトマルシェ by Kirin City」を12月11日に東京・恵比寿に開店し、このシステムを導入している。

キリンHDではキャッシュレスやインバウンドに関する施策、屋外イベントのデジタル化やSNSデータの活用などといった、デジタルを活用した新たな手法を開発し、グループ各社に提供している。昨年の大相撲九州場所ではマス席からスマホで注文し売店から届けるといった取り組みも行い「注文のストレスをデジタルで解決」(合原康成デジタルマーケティング部主幹)することを図っている。

今回の「セルフオーダー&ペイ」で目指すのは、「店員がなかなかつかまらない」「クラフトビールの銘柄が多くてよく分からない」「会計で待たされる」などといったストレスや課題をデジタルで解決することと、退店後も嗜好に応じた継続的なコミュニケーションで長期的な関係を構築することの2点だ。

着席後に配布されるQRコードを読み取り、LINEアプリで「クラフトマルシェ by Kirin City」の公式アカウントと友だちになるだけで利用できる。スマホ上で注文から会計、退店後のコミュニケーションまでもが可能になる。また来店時のデータを元にしたシナリオ設計も可能で、一人ひとりに合わせた料理との組み合わせなども提案できる。

注文にかかる時間やレジに並ぶ時間を短縮することで来店者の負担を減らすだけでなく、人手不足といった飲食店での課題解決にもつながるという。「クラフトマルシェ by Kirin City」ではこのシステムの導入に加えて営業時間やメニューなど効率的な設計にすることで、キリンシティ既存店と比べて従業員の労働時間を約50%削減できるという。

今回はクラフトビール店で導入することについて、キリンシティの江田雄太社長は「クラフトは、母数は小さいものの、特に若い世代を中心に認知され伸びており、Webを通じて知っていただくことが多い」ことを背景に挙げる。一方でキリンシティは36周年を迎えるが、顧客は50~60代に遷移しており、「若い世代にビールの美味しさ、楽しさを知ってほしい」(江田社長)ことからクラフト店での展開を図るという。

今回の取り組みで得られる知見を通して、クラフトビールの飲用者を理解し、クラフトビールへの取り組みに生かすとともに、外食企業からの相談への対応にも生かしたいとしている。