「ご飯の供」から「料理の供」にも 使い方訴求に転換 桃屋社長 小出雄二氏

桃屋は創業100周年の節目の年を迎えている。小出雄二社長は先ごろ開いた近況報告会で、2019年度(19年9月期)にかけて6期連続で増収営業増益を達成したことを報告するとともに、次の100年に向けて、瓶詰商品の強化に加え、健康と海外の両分野の強化に取り組み、成長を目指す考えを明らかにした。

企業理念は「良品質主義」と「宣伝広告主義」

19年度(19年9月期)の売上高は前年比101.3%、営業利益は同102.4%、経常利益は同106.3%となり、営業利益ベースで6期連続増収増益となった。20年度は100周年の年。7期連続増収増益を目指していきたい。

基本的には企業理念を徹底して追求してきた。弊社の企業理念は「良品質主義」と「宣伝広告主義」。良いものを作り、その価値を伝えるという当たり前のことだが、その当たり前のことに徹底的に取り組んできた。

良品質主義では、とにかく手間と時間をかけて、おいしいものを作るという考え方をしている。それが結果的に他社が真似のできない商品につながってきた。簡単ではないが、良品質主義を徹底していく。

広告宣伝主義では、おいしさと使い方の訴求に転換した。使い方はごはんのお供だけではない。訴求に力を入れているのは料理のお供、調味料としての使い方だ。「簡単に作れて、おいしい」「味付けは基本的に弊社の商品だけで、材料も冷蔵庫にあるようなものだけ」。そういうレシピを現在340くらい作っている。

店頭での訴求にも力を入れている。営業にしても、営業マンが料理を作り、バイヤーにそれを食べてもらい、「この企画でいきましょう」というのが基本のスタイルだ。そのために営業の強化にも取り組んできた。それらが6期連続増収増益という形になっている。

100周年については、まずお客さま、お得意先さま、お取引先さま、従業員に対して「ありがとうございます」というお礼の念がある。次の100年も、企業理念を徹底して追求していく。良いものを作り、その価値を伝えるということを、その時代に合った方法で続けていく。

成長の方向は、3つある。まず弊社の瓶詰商品にはまだまだポテンシャルがある。ただし、継続して弊社の商品を1品でも使ってもらっている世帯は1割くらい。9割の世帯の方にはあまり使ってもらっていない。

残り9割の方々に1品でも使ってもらえるようにしたい。次の100年で、全世帯に桃屋の商品が1品はあるという状態を作りたい。ごはんのお供としてしか使ってもらっていない方に、料理のお供、調味料として使えることを伝えたい。

2つ目は「健康」だ。これまではお客さまに「おいしさ」で貢献してきたが、次の100年では「健康」でも貢献していきたい。その一環として19年8月に機能性表示食品「いつもいきいき」を新発売した。

機能性関与成分は熟成にんにくエキスだ。にんにくには料理をおいしくする、健康に良いというイメージがあるが、具体的に何に良いかを研究して商品化につなげた。機能は「睡眠の質を向上する」ことと「日常生活で生じる疲労感を軽減する」ことの2つ。これを育てていく。

3つ目は「海外」だ。現在70か国くらいに輸出しているが、19年度はスペインの売上げが伸びたため、実際に行ってきた。現地で驚いたのはスペイン国内のレストラン1千店舗に「キムチの素」を使用してもらっていることだ。例えば「キムチの素」とマヨネーズを混ぜて、それをエビのソテーにからめて食べていただいている。これは大きな夢だ。世界中のレストランに弊社の商品を使用してもらいたい。