コーヒー、最重要課題はHACCP対応 各地組合と連携深め体質強化 全日本コーヒー商工組合連合会

全日本コーヒー商工組合連合会は各地組合との連携を深め体質強化を図っていく。

最重要課題は「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」への対応で、20年6月の施行に合わせて準備を開始し、猶予期間である1年を経過した21年6月には全事業者の運用開始が求められる。

同時にすべての飲食店にも同法が適用されることになり20年を機に食品製造・飲食店の双方でレベルの高い衛生管理が求められることになる。

11月20日、通常総会で萩原孝治郎代表理事会長(=写真前列中央㊨)は「決定したことに対して忠実に従えるように体質強化を図っていかないといけない。4―5月にかけて各地で勉強会を開催していく」と語った。

所属7組合の現況 消費増税「影響なし」が多数 会員増加に向けた施策を検討

HACCP対応以外にも、安全・安心に対する信頼性向上や教育・情報分野の機能強化などを課題に掲げる。総会後の記者会見には所属7組合の長も列席し、以下の通り現況と課題を報告した。

◇東日本コーヒー商工組合・畔柳一夫理事長(写真前列㊧)

消費増税の混乱はあまり感じられなかったがキャッシュレス対応に追われた。東京都の助成事業「組合活性化2020プロジェクト」の一環で実施した「コーヒーサミット2019」は盛況に終わり、それを踏まえて今期(19年10月1日―20年9月30日)はバージョンアップして開催日を1日増やしてBtoCだけでなくBtoBもターゲットにしていく。ホームページ「コーヒータウン」はほぼ完成し、今後はアクセス数増加を目指しコラムを拡充していく。訪日旅行客に向けた取り組みは2020プロジェクトとして今後検討していく。

◇東日本コーヒー商工組合・鈴木修平常務理事(写真前列中央㊧)

受動喫煙対策は東京都と他の自治体では全く異なる。東京都は20年4月に受動喫煙防止条例を全面施行し従業員を雇用する飲食店などは喫煙室を設けない限り原則屋内禁煙となる。他の地方都市では、一部喫煙席を設けているところには喫煙者が集中し、喫煙席を設けられないところはパンケーキなどコーヒー以外のものを売りにして喫煙者とは異なる客層を集めるといった動きが出てきている。

◇西日本コーヒー商工組合・雲田将央理事長(写真後列㊨)

消費増税によってお客さまが減ったという話は聞こえてこず特に大きな問題にはならなかったが、紙の伝票を使っている個人店のお客さまからは「仕分けるのが大変」との声があがった。西日本コーヒー商工組合では理事の改選で2人の女性が理事に加わり、今後は女性目線で新しいことができると考えている。コーヒーを原料にした化粧品を組合員で販売するようなアイデアも出てきており、そのような話がどんどん出てくることを期待している。

◇中国コーヒー商工組合・新谷隆一理事長(写真後列中央㊧)

消費増税に関してはあまり影響がないように感じられる。半年くらい前から観光で訪れる訪日外国人が増加し、朝の広島駅は日本だとは思えないくらいの光景になる。中国から来られる方は、銀聯(ぎんれん)カードを出されてコーヒー豆を3、4万円分と結構買われるため、今後は銀聯カードなどキャッシュレス対応が課題だと考えている。

◇大阪珈琲商工組合・西埜伊宜理事長(写真前列㊨)

消費増税に関しては全組合員の情報をすべて収集したわけではないが、全般的にみてあまり影響がなかったように感じる。ただし、物販店や直営店を持たれているところの話を聞くと、キャッシュレス決済を導入しているところが少なくレジの対応が若干遅れている。たまたま理事の1人がスマホ決済サービスのPayPay(ペイペイ)を導入したことから、理事会でPayPayが議題となり、年明け早々にゲストをお招きしてキャッシュレスの話をしてもらえるように日程を調整している。

◇兵庫県コーヒー商工組合・萩原孝治郎理事長(写真前列中央㊨)

組合数をいかに増やすかについて検討していく。当組合の会員数は20社を下回り19社。自家焙煎屋さんにも門戸を開放することや、年会費を連合会としても考えていかなければいけない。ただし兵庫では、毎年5月に兵庫祭りという一大イベントがあり、それなりに売上げがある。組合の中でもチームワーク、皆さんに参加してもらうことが一番大事。今いる組合員が活性化することで新しい組合員が増えると考えている。HACCPや表示の問題については当組合としても年2回勉強会を実施しており、これを継続していく。

◇京都珈琲商工組合・小川秀明理事長(写真後列中央㊨)

消費増税の話はあまり聞かれない。当組合は前期に2社、今期に1社の加入があり3社増えた。コーヒー鑑定士になりたいというのが主な加入の理由。全日本コーヒー商工組合連合会がコーヒー検定事業で設けているコーヒー鑑定士とコーヒーインストラクターの資格が人気で受験者が多くなっている。検定事業はコーヒーの知識を普及していくにはうってつけで、コーヒー屋さんのレベルを上げるのにもちょうどいい。当組合に入ってコーヒーインストラクター3級を目指す小規模の会社さんが増えている。また、当組合では京都ブランドというコーヒーを展開しており、これに興味を示される方もいる。ただ京都ブランド自体の精度を高めていかないと意味がなく、もう少し考えていきたい。今期は会費を下げた。下げることで入ってくださるところも多いかと考えている。

◇中部日本コーヒー商工組合・和田康裕理事長(写真後列㊧)

消費増税以降、さほど変化はみられない。当組合はバブル景気に沸いた30年前は70社の加盟企業があったが、徐々に減少し現在24社となっている。その要因の1つは、得意先さまの高齢化で、健康の問題で閉店されるケースがここ2、3年で急に増えた。私は理事長に就任して1年半になるが、今までとは違う組合の運営方法を考えていきたい。

そうした中、賛助会員の枠の中で、デカフェの処理をする食品会社以外の企業さまが加入した。コーヒーインストラクター3級に興味があり加入希望の方もおられるが、当組合は会費が全国一高いことから躊躇されるようだ。

会費のハードルを下げて数を増やすにはどうしたらいいかが今期の一番の重要課題。それをクリアできれば、中部地区はコーヒー文化が盛んで自家焙煎が多い地域でもあるので活路が見いだせるかと考えている。