アサヒ飲料 17年連続成長へ猛ダッシュ 「ウィルキンソン」破竹の勢い

アサヒ飲料は目下、17年連続の販売数量増を目指して追い込みをかけている。1-11月累計の飲料販売実績は前年同期比1%減で、現在、前年超えへと向かいつつあるという。

11日、取材に応じた岸上克彦社長は、まず今年の市場環境について「東日本は7月を中心に短い日照時間や長雨に見舞われた上に大型台風にも立て続けに襲われ総市場は14年以来、5年ぶりに前年を下回ることが確実となった」と指摘した。

アサヒ飲料も販売ボリュームの大きい7月単月に2割以上落ち込んだが、8月から巻き返しを図り12月現在は「追い上げており、年内最終営業日まで気をゆるめることなく17年連続の販売増を達成できるように取り組んでいる」。

同社は今期(12月期)、「100年のワクワクと笑顔を。」をスローガンに掲げ、中長期に向けては業界のリーディングカンパニーを目指している。

岸上社長が想い描くリーディングカンパニーとは、顧客に一番信頼される会社を意味する。今年の手応えについては「業界をリードするリーディングカンパニーとして取り組むべきことに取り組み、その成果は出てきたと思っている。来年以降も加速しないといけない」と語った。

ブランド・商品については「ウィルキンソン」と「モンスターエナジー」が7月の逆風下でも伸長を続けたことを引き合いに「あるカテゴリーの中で非常に強いブランドになると、逆境下でも勝ち抜けるのだと痛感した。カテゴリーナンバー1やストロングナンバー2といった強いブランドを引き続き育成していく」との考えを明らかにした。

モンスターエナジー(アサヒ飲料)
モンスターエナジー(アサヒ飲料)

「ウィルキンソン」ブランドは08年から11年連続で伸長を続け、15年3月から19年11月まででは57か月連続で前年実績を達成し1―11月では販売数量2千万ケースの大台を突破した。

この好調要因については「強炭酸とガスが抜けにくい物性価値がご評価いただいたことに加えて、115年を超える歴史で培われたブランド力が購買の背中を押す重要なポイントになっている」と説明した。

一方、「モンスターエナジー」については「エナジードリンクが健康の対局にあるもではなく、自分の気持ちを豊かにしてくれるものととらえており、来年以降も伸びていくとみている」。

「モンスターエナジー」は10~20代を中心に高く支持され今年も前年を大幅に上回る形で推移している。

アサヒ飲料群馬工場
アサヒ飲料群馬工場

同社はこの好調などを受け、関東の主力工場である群馬工場に約33億円を投じて製造ラインの新設と生産設備の増強を図り、これまで外部委託していた「モンスターエナジー」の製造を来年1月をめどに内製化する。

また5月に稼働予定のアセプティックPETラインには、省人化、省力化につながる設備を導入して生産効率の向上を図っていく。

具体的には、データ解析や生産工程の管理といった品質保証システムの高度化や資材の供給工程を完全自動化していく。

慢性化する人手不足や増加の一途にあるコストが課題となる物流面については「昨年猛暑でSCMが破綻してお客さまにご迷惑をおかけした反省から、物流倉庫の配置・再整備をして生産地点から極力運ぶ距離を短くして、消費されるお客さまの近いところに営業倉庫を構えることに着手し、来年に向けても強化していく」と述べた。

現在、船舶輸送などでキリンビバレッジと協業。今後も「社会課題解決のために競争関係にある会社や異業種との協業について検討を重ねていく」。

21年には、これまで手薄であった中部エリアを強化していく。アサヒグループホールディングスは、アサヒビール名古屋工場に約120億円を投じてPET商品の製造ラインと物流倉庫を新設し21年4月の稼働を予定している。これにより、アサヒビール名古屋工場は「カルピスウォーター」など年間約900万ケースのPET商品の製造が可能となる。

なお来年については「業界全体が、今年の流行語大賞の“ONE TEAM(ワンチーム)”となって盛り上げていきたい」と意欲をのぞかせた。