デフレ脱却はどこへ

小麦粉1㎏98円、サラダ油1.8ℓ278円、しょうゆ1ℓ168円、上白糖1キロ149円。Webのデイリーポータルサイトで見つけた約40年前のあるスーパーのチラシの値段だ。容量や品質は大きく変わっているが、価格そのものは今とそれほど違わない。文字情報だけなら先週末スーパーの特売企画といっても通用するかもしれない。

▼昭和54年(1979年)当時の大卒初任給(男性)は10万9千500円。現在の価値にすると14万円程度という。平成に入って初任給は20万円前後で頭打ちとなり、所得の伸び悩みがデフレの一因となったが、40年前と比較すると賃金水準はアップした。

▼単純比較は難しいがこの間、品質や機能は格段に進化し、人件費や物流費などのあらゆるコストが増大しているにもかかわらず「半世紀近く食品の価格は変わっていない」という指摘も頷ける。将来に向けた必要な投資ができず、苦しんでいる企業も多い。

▼デフレからの脱却が進まない中で、政府はキャッシュレスポイント還元に続き今度はマイナンバーカードを活用したポイント還元を検討している。東京五輪後の消費浮上策として2千500億円規模の予算を計上するようだが、相次ぐカンフル剤の投入と、安売り競争を招く官主導のポイント祭りに対する警戒感は強い。