障がい者と「農福連携」 カゴメ、トマト栽培を二人三脚で

カゴメは全国の特色ある農産物や加工品を「農園応援」ブランドとして通信販売チャネルで展開しているが、このほど発売した「農園応援 北海道余市トマトジュース」は「農福連携」という新しい考え方で開発した。「農福連携」とは、障がい者の農業分野でのかかわりを通じて自信や生きがいを創出し、社会参画を促す取り組みで、農林水産省が数年前から厚生労働省と連携して推進。カゴメの展開は、NB食品メーカーでは初の試み。

カゴメでは、農福連携により障がい者の就労支援と商品化による地域産業の振興を目的に、「農園応援 北海道余市トマトジュース」を開発。開発にはトマトの定植や収穫作業、荷造りを障がい者とその家族、カゴメ社員らが二人三脚で行った。

恵良正和氏(カゴメ)
恵良正和氏(カゴメ)

「余市は観光や漁業が盛んだが、農業が弱く、加工用トマトで北海道の産地を開拓する取り組みの一環として余市に注目し、しかも農福連携ができる生産者を見つけてスタートした」(恵良正和マーケティング本部通販事業部主任)。

農福連携の枠組みは、余市町の水尻氏と障がい者、カゴメ社員らがトマト栽培を行い、札幌市のこぶし館で障がい者とともに荷造り作業を実施、これをカゴメの健康直送便の顧客45万人に販売するもの。製造は北海道工場で行い、パッケージデザインは北海道のデザイナーに依頼した。

この取り組みについて恵良氏は「障がい者の就労支援と社会参加により自立してもらおうと農福連携を開始した。収穫にはカゴメの新入社員も参加。障がい者と健常者、社員が二人三脚で作業することにより、障がい者の自信にもつながるはずだ。参加したお母さんからは畑なので大声を出せるとか、ほかの人に気遣わなくてすみ、心身のリフレッシュになった。子どもにお金を残してあげるよりも社会の一員として生きていける環境を整えてあげることが親の使命だ」などの声があがった。

原料のトマトは、10年がかりで開発した「爽果(さやか)」を使用しており、青臭みが少なく、酸味と甘みの絶妙なバランスが特徴。なお「農園応援 北海道余市トマトジュース」は、公益財団法人日本デザイン振興会主催の「2019年度 グッドデザイン賞」を受賞した。