「い・ろ・は・す」供給強化 白州工場に最新式自動倉庫が直結 コカ・コーラボトラーズジャパン

必要量を従来の半分以下の空間で在庫可能に

コカ・コーラボトラーズジャパンは12日、白州工場(山梨県北杜市白州町)の敷地内に新設した最新式の大型自動倉庫(白州倉庫)を本格稼働し、東日本エリアでの「い・ろ・は・す」をはじめとするミネラルウォーターの供給を強化していく。

白州工場の在庫はこれまで外部倉庫に運搬して行われていた。これを白州工場直結とすることで輸送費などコスト削減も見込む。供給力は、500㎖ペットボトル(PET)換算で約3千200万本(約2万4千パレット)の保管能力でつくり貯めすることによって強化される。

本格稼働に先立ち11日、完成発表会であいさつしたカリン・ドラガン社長は「従来の自動倉庫の半分のスペースで従来の自動倉庫と同等の保管数量が確保できる革新的な技術を導入した自動倉庫」と胸をはった。

北杜市景観条例を遵守し、建屋の高さを一般的な自動倉庫の高さ(約30m)の半分以下となる約13mに抑制。山の斜面に立地するため半地下の構造となり実質的な高さは約16mとなる。必要在庫量を従来の半分以下の空間で可能にしたのが、外部企業と共同開発した高密度保管システム。

SCM本部サプライチェーントランスフォーメーションシニアグループ統括部新生プロジェクト(自動倉庫)部長でプロジェクトディレクターを務める川野恭史氏は「通常の自動倉庫だとクレーンを使いその周りに在庫しているが、これだとクレーンのエリアに在庫できなくなり収納効率が悪くなってしまう。白州の倉庫では縦と横に動くシャトルという新技術を使って収納効率を上げている」と説明した。

コカ・コーラボトラーズジャパン白州倉庫
コカ・コーラボトラーズジャパン白州倉庫

シャトル技術は主に2台1組の無人台車によるもので、在庫の奥行方向に走る小ぶりの台車と、その台車を載せて幹線を自動搬送する大ぶりの台車の組み合わせとなる。

入庫能力は1時間当たり169パレット。出庫能力は1時間当たり300パレット。「瞬発力がないといけないので出庫と入庫のバランスを考えて設計した」。1パレットには56ケース(500㎖PET換算で1千344本)が積まれる。

工場と倉庫はコンベアブリッジで直結。入庫は工場からベルトコンベアで運ばれ無人で行われる。人手を必要とするのはフォークリフトによるトラックへの積載やメンテナンスで、「10人を地元の方優先で雇用している」。

トラックの運送先は主に同社の物流拠点だが流通倉庫への直送も行う。2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会では、白州倉庫から「い・ろ・は・す」が大会会場に出荷される予定となっている。

「白州倉庫に一度商品を貯めて直接そこからお客さまにお届けすることと、東京オリンピック・パラリンピックにフォーカスして、おいしいお水を世界に知ってもらうのも大きな目的。将来的に水の需要は増えていくので、それに対応するようなことは検討していく」と述べた。

20年春稼働予定の熊本倉庫も白州倉庫と同じコンセプトで設計される。白州工場の投資額は建物・設備含めて約30億円。

渡辺英子市長(中央左 北杜市)とカリン・ドラガン社長(同右 コカ・コーラボトラーズジャパン)
渡辺英子市長(中央左 北杜市)とカリン・ドラガン社長(同右 コカ・コーラボトラーズジャパン)

山梨県北杜市から市民栄誉賞

同社では北杜市が行う「森を育て、水を守る」環境保全事業に毎年協力しているほか「い・ろ・は・す水源保全管理事業」を展開しており、市や森林組合と一体となって森の整備事業を通して水源涵養を行っている。

11日の白州倉庫の完成発表会に招かれた渡辺英子北杜市長は「11月1日に市政施行15周年記念式典により北杜市市民栄誉賞を授与させてもらった。北杜市の地域経済の活性化に役立つと非常に期待している」とあいさつした。

渡辺市長は東京2020オリンピック・パラリンピック時の事前合宿にフランスのビーチバレー競技とBMX(バイシクルモトクロス)の誘致が決定したことにも触れ、「オリンピック後もビーチバレーを盛り上げてもらいたい」と期待を寄せた。