豆乳ヨーグルト、売場じわり拡大 専用コーナーも出現

豆乳を乳酸菌で発酵させてつくられた豆乳ヨーグルト(はっ酵豆乳食品)の売場がじわりと広がっている。スーパー、量販店の採用店ではヨーグルト売場の片隅に並べられているのが通例だが、最近になって豆乳ヨーグルト専用のコーナーを設けるなど流通も強化の姿勢を見せ始めている。

豆乳ヨーグルトは、大豆たんぱく質・大豆イソフラボン入りでコレステロールゼロの乳製品不使用の植物性ヨーグルトで、主に健康志向の強い女性層に支持されている。豆乳を乳酸菌で発酵させた点が特徴で、このメリットについては複数の研究発表がなされている。

豆乳ヨーグルトの市場規模は27億円規模と推定。このうち半分のシェアを握るのがポッカサッポロフード&ビバレッジとみられる。同社は現在、「ソイビオ豆乳ヨーグルト」と「ソヤファーム豆乳で作ったヨーグルト」の2ブランドを展開している。

同社の豆乳ヨーグルト商品は1-8月、前年同期比約15%増となった。4月に新発売した大型容器の豆乳ヨーグルト「ソイビオ豆乳ヨーグルト プレーン無糖400gカップ」が牽引役となり、品揃え強化後の4-8月では30%増程度の伸びとなった。

400gカップのメーンユーザーは30~40代の女性で、主にヨーグルト市場から獲得できているという。

同社の大久保正孝大豆・チルド事業本部事業戦略部部長は「競合品は50代以上に支持されているとわれわれはみており、パイの奪い合いではなく当社商品が入ったことで市場は活性化していると考えている」と語る。

対するマルサンアイは10年から「豆乳グルト」(400g)を販売し、18年10月に「国産大豆の豆乳使用 豆乳グルト」(400g)を加えたことで「豆乳グルト」全体が好調に推移。

倉橋良二常務取締役は「今年から新規メーカーが参入したが、4月以降も前年比15%増以上の伸びで推移している」と述べる。

同社は今後、一般消費者向け商品とともに「今までになかったカフェなど業務用展開も強化する」考えだ。

小型容器ではポッカサッポロの「ソヤファーム豆乳で作ったヨーグルト」シリーズが定着している。同シリーズは4種の生きた乳酸菌と豆乳由来の大豆イソフラボン、大豆たんぱく質を一度に摂取でき、血清コレステロールを低下させる大豆たんぱく質を含んだトクホ商品シリーズで、「プレーン」「アロエ」「ブルーベリー」の3品をラインアップしている。

販売動向は微増で推移。ヘビーユーザーがフルーツフレーバーを買い回る傾向にあるという。秋冬はこの傾向を受け、フルーツフレーバーの導入強化を図り50~60代ヘビーユーザーの喫食頻度を上げていく。製造体制も強化し、委託製造から群馬工場による自社製造に切り替えた。

トライアル獲得も狙いパッケージを刷新して機能面の訴求を強化した。「おいしさを伝えるシズルを維持しながらヘルスクレームを目立たせたデザインに変更し、天面のフタにもトクホマークを加刷した」(大久保部長)という。

「ソイビオ豆乳ヨーグルト」のトライアル施策としては、400gカップと「ソイビオ豆乳ヨーグルト180gストロー付きカップ」を対象商品に10月7日から12月8日にかけて「おいしさ体感!SOYBIO豆乳ヨーグルトキャンペーン」を展開している。

180gストロー付きカップは6月11日に首都圏エリアと長野県で発売し9月17日から全国発売へと販路を広げ、現在、大手コンビニチェーンにも高い店舗導入率で採用されている。

豆乳を発酵させるメリットについて、7月開催されたフォーラムで東京農業大学応用生物科学部食品安全健康学科の上原万里子教授は「豆乳の中のイソフラボンには、糖(糖鎖)が付き、腸から吸収されるときに糖鎖が切り離される。豆乳を発酵させると、糖鎖を切る酵素の活性が上がりアグリコン型のイソフラボンが増えて吸収量がアップし、生体内のイソフラボンが増加する」と説明した。

マルサンアイは、大学との共同研究で植物性乳酸菌「TUA4408L菌」で発酵させた豆乳を食べさせたラットにおいて、血中総コレステロール濃度の低下や、肝臓への脂質蓄積が抑制されることを報告している。