台風19号 即席麺、水など駆け込み需要多発 物流混乱、一部で欠品続く

12日に東日本エリアを襲った台風19号は、広範囲にわたり爪痕を残した。千曲川、阿武隈川など東日本エリアの河川では、堤防の決壊や増水した水が堤防を超えるなどにより、宮城県・福島県・栃木県・茨城県・埼玉県・東京都・長野県の一部地域など浸水エリアが広範囲に及んだ。浸水に加え、土砂災害、停電や断水も続き、復旧まで長期化の様相を呈している。

これまで防災意識は主に「地震」に注がれていたが、9月9日に千葉県を襲った台風15号では、突風により電柱が倒れ大規模な停電が発生するなど「電害」が社会問題として浮上。今回は記録的豪雨により各地で浸水や土砂崩れが発生、多くの河川が氾濫したことで想定外の「水害」の脅威に直面した。

個人や企業、産業界により自然災害への取り組みは異なるが、被害を最小限に食い止めるには個人が取り組む「自助」、地域や身近にいる人同士が助け合う「共助」、国や地方自治体などが取り組む「公助」があり、中でも基本となるのは一人ひとりが自身の身を守る「自助」と言われている。

今回は1週間ほど前から最大規模の台風との予報が流れ、自治体も台風上陸の数日前から啓発を促し、交通機関も大規模な計画運休を実施するなど比較的対応は早かったが、やはり個人の対応遅れが目立った。

河川の氾濫や堤防の決壊場所は、ほぼハザードマップと一致しているが、被害にあった多くの人が「自分だけは」の意識が働いた模様で、関係者はハザードマップの存在を再啓発する動きもある。

台風上陸前には駆け込み需要も発生した。14日、取材に応じたイオンリテールの柳澤正樹南関東カンパニー神奈川事業部イオンスタイルつきみ野店長は「台風に備えて駆け込みが多かったのは11日。即席麺や備蓄を含め水が多く買われた」と語ったが、実際、スーパーやコンビニのパン、即席麺、ミネラルウォーター、菓子類などは、11日から駆け込み需要が発生していた。

12日の台風当日、首都圏の立地店舗では、イトーヨーカ堂、マルエツ等が全店で休業したほか、台風当日の12日にグランドオープンしたイオンスタイルつきみ野店も、台風の影響で9時から13時までの4時間に営業時間を短縮した。13日からは通常営業に戻ったが、品揃えについては14日時点で「100%ではないが、ご満足いただけるレベルにまで復活した。お取引先様にご協力いただいて並べることができている」と説明。イオンリテールとイオンモールでは15日から全店が営業中となっている。

食品流通業界では、水没エリアのコンビニなど一部を除き、通常の営業体制に戻りつつあるが、土砂崩れなどにより交通網が寸断された地域では物流に支障をきたし、日配品の欠品も目立っている。通常の品揃えが回復するには時間がかかる見通しだ。

なお、即席麺メーカーには16日の時点で注文が殺到。メーカーが対応に追われている模様だ。