高齢者の低栄養に着目 栄養補助食品「アイソカル」 ネスレヘルスサイエンスカンパニー

ネスレ日本・ネスレヘルスサイエンスカンパニーは、医療機関や介護施設において高齢者向けの栄養管理のための栄養補助食品を展開。栄養機関や高齢者施設での展開は約1万軒に及んでいる。「メディカルニュートリション分野では世界第2位を保ち、栄養と健康の分野でのイノベーションをリードしている」(中島昭広カンパニープレジデント)という同社だが、日本では最近問題視されている高齢者の低栄養に着目し、少量高カロリー経口栄養補助食品「アイソカル」シリーズの強化策を打ち出している。

カップゼリータイプの「アイソカル ゼリー ハイカロリー」シリーズは1カップがわずか66gと少量だが、おかゆ約1杯分のカロリー補給(150kcal)ができる。食べやすさや効率的なカロリー補給、そして良質なたんぱく質などが評価され、医療・介護現場でのナンバーワンシェアを保っている。

バラエティは、おしるこやあずきアイスを思い出すようなあずき味、コーヒー風味をゼリーで再現したコーヒー味、高齢にも馴染み深い大人気のチョコレート味、ほんのり甘みをきかせたとうふ風味のとうふ味、高齢者に人気のスイートポテト味、昔懐かしいかりんとうを思い出すような黒糖風味、香ばしい香りのきなこ味、酸味を抑えたチーズケーキ味と、高齢者にもうれしい和風フレーバーを加えた8アイテムを用意している。

また、新製品の紙容器入り飲料タイプの「アイソカル100」は栄養もカロリーもギューッと詰まった業界最小化を実現(200kcal/100㎖)。たんぱく質を8g配合し、脂質中約30%(2.4g)がエネルギー効率の良いMCT(中鎖脂肪酸油)で、好みによって4つの味わい(ストロベリー味、コーヒー味、バナナ味、あずき味)が楽しめる。

東口髙志主任教授(藤田医科大学)
東口髙志主任教授(藤田医科大学)

東口教授「筋力、栄養サポートが大事」

健康な体を維持するために必要なエネルギーやたんぱく質が欠乏した状態を「低栄養」と呼ぶが、藤田医科大学医学部外科・緩和医療学講座主任教授の東口髙志主任教授(一般社団法人日本静脈経腸栄養学会理事長)は「日本の高齢者は明らかに低栄養が浸透し、筋肉量が減少するサルコぺニアを招いている。そこで筋肉量が減り筋力が落ち、加齢による心身が衰弱(フレイル)のを予防するには筋力をつけ、そして栄養サポートをきちっとすることが大事」と指摘する。

その上で健康な高齢者には少なくとも1~1.2gのプロテイン/㎏体重/1日の食事、急性か慢性疾患の高齢者には1.2~1.5gのプロテイン/㎏体重/日、すべての高齢者には運動メニュー中に可能な限りのレジスタントトレーニングを推奨している。

東口氏は研究活動の傍ら17年には高齢者の低栄養予防を称え、社会栄養学を実践する集団「一般社団法人WAVESジャパン」を設立し、高齢者に「元気に食べていますか?」と声掛け運動を推進し、栄養ケアの大切さを広める活動を実施している。

なおネスレ日本が、このほど行った75歳以上の食と健康に関する実態調査によると「高齢者の2人に1人がフレイル(加齢による心身の衰弱)の疑いがある」ことが判明した。また、「フレイルの疑いがある人のうち約8割が粗食が大切と信じていた」「フレイルの疑いがある人のうち約7割が食事量を減らしていた」など、「粗食が大切」という誤解があることが分かった。