増税直前 内食・節約志向へ訴える メーカーの対策

消費増税が目前に迫っている。大手外食チェーンでは店内飲食の税込価格を据え置き、実質値引きする動きも見られるが、対応は一様でなく、全般的には内食化が進むという見方が強い。

加藤産業の加藤和弥社長は、今月開いた展示会の会見で「10月以降、財布の紐がもう一段堅くなると想定せざるを得ない」と消費者心理について言及。展示会では随所で、こうした節約志向や内食化を意識した販促に力が入れられた。

カゴメは黒胡椒などで、おつまみ風に仕上げたペンネのナポリタンを試食提供。「洋風居酒屋ではナポリタンをおつまみとして提供する店が増えている。こうした外食の流れを家飲みで表現した」と狙いを示す。外食を減らしても、気分だけは味わいたいというニーズを狙う。

味の素はネギとツナ缶を材料に、鶏がらスープとごま油で味付けした「やみつき!無限長ねぎ」を用意。「使うのはこの4つだけ。レンジですぐにできる」と簡便性を強調する。

両社が視野に入れるのが、増税前に買いだめが予想される酒類だ。「年内いっぱいは家庭内にたくさんのお酒がストックされるはず。安く簡単に作れるおつまみが喜ばれる」(味の素)とみる。

「節約しながらも、食卓を華やかに」と訴求したのが丸美屋食品工業。とり釜めしにコーン缶とバターを加えアレンジした。「節約しようとおかずを減らせば食卓が寂しくなる。ハレの日のイメージが強い釜めしを利用することで、日常でも手軽に贅沢感を演出できる」と説明。ヤマモリも同様に釜めしの素を利用し、1食500円で抑えられる食卓メニューを提案していた。

アヲハタは、専門店が増えブームとなっているコッペパンに焦点を当てた。ジャムをはじめホイップや餡などの周辺商材を使い、12種類のコッペパンを用意。朝食だけでなく、昼食には黒ごまホイップ、夕食にはサラダチキンなど間食を含む4つの食シーンを想定。「家庭でも専門店のような味と見た目のものができる」とアピールしていた。

このほか、加藤産業のグループ合同による提案コーナーでも、酒類とおつまみをセットで試食提供。ハイボール、日本酒それぞれに合うメニューを勧めた。「イベントなどでは若い人にも日本酒が人気。これを機に家庭でももっと飲んでほしい」(三陽物産)と増税をきっかけに家庭内需要を喚起したい考えだ。