需要増で「からくれなゐ」に?

古典落語に「千早振る」という噺がある。長屋の隠居が在原業平の「ちはやふる神代もきかず竜田川からくれなゐに水くくるとは」という短歌にいい加減な解釈を加える話で、隠居は「からくれなゐ(唐紅)」を「おからをくれない」と解した。

▼生おからを乾燥させたおからパウダーが堅調に売れている。おからパウダーは豆腐製造の過程から生まれる生おからをすぐに熱風乾燥させて作る。常温で長期間保存ができ、振り掛けるだけで使える手軽さも魅力だ。

▼大豆が原料のおからは、便のかさとして必要な不溶性食物繊維を豊富に含んでいる。また、大豆由来の良質たんぱく質の他、ビタミンE、カルシウム、カリウム、マグネシウムも含む。一度に大量に摂るのではなく、毎日適量を摂ることが食物繊維不足の解消には有効だ。

▼今年も有力メーカーが市場参入を果たした。従来はメディアで健康・美容効果が報道される度に需要が急増し、売場では欠品・品薄となり、メーカーは対応に追われた。業界の供給力アップにより、今後は「からくれなゐ」にならないことを願う。