漬物 “健康力”で需要喚起 ニーズ対応の商品続々と

漬物の市場規模はここ数年、3千200億円前後で安定し、下げ止まりがみられる。18年はテレビの健康バラエティー番組で取り上げられた梅干とキムチの需要が増加し、両ジャンルの市場が拡大した。消費者は漬物に“健康力”を求めており、ニーズに対応する商品が今後も続々と市場投入される。漬物の健康力を積極訴求し、さらなる需要喚起につなげたい。

昨夏は全国的に猛暑となり、熱中症対策で梅干が爆発的に売れ、業界は対応に追われた。秋以降も高い販売レベルが続き、市場は一段底上げされた。18年の梅干・梅漬の市場規模は前年比8.8%増の490億円となった(本紙推定)。

秋にはテレビ番組で大腸を老化させない最強の食材としてキムチが紹介され、放送翌日からメーカーに注文が殺到。18年のキムチの市場規模は7.5%増の720億円となった(本紙推定)。キムチも消費者から健康効果が期待されていることが分かった。

健康訴求の食品と言えば、近年は機能性表示食品が象徴的だ。漬物市場にも機能性表示食品がいくつか存在するが、いまのところヒット商品は誕生していない。業界では「なじみのない新商品より、定着している主力品を機能性表示にした方が販売効果を得られる」という見方もある。

この意見を具現化する商品が相次いで発売される。キムチ大手の美山は8月末頃から、主力の3個パック「イチオシキムチ」を機能性表示食品としてリニューアル発売する。また、酢漬大手の岩下食品は11月から主力の「岩下の新生姜」を機能性表示食品として発売する。

「ピリ辛胡瓜」(片山食品)
「ピリ辛胡瓜」(片山食品)

機能性表示以外の健康訴求もある。にんにく漬トップの片山食品は今秋、主力製品をリニューアルし、減塩と少アレルゲン化を進める。減塩ながら味は従来品と変えず、最適な塩加減に仕上げた。高まる消費者の健康志向に対応し、競合品との差別化を図る。

メーカーの健康訴求をバックアップする動きもある。業界団体の全日本漬物協同組合連合会は今月1日から発酵漬物認定制度について認定申請の受け付けを開始した。漬物は機能性成分を多く含み、長年、日本人の健康に貢献してきたが、近年の発酵ブームには今一つ乗り切れていない。同制度の積極的な活用による発酵を切り口とした需要喚起も期待される。