「簡便」「個食」「完結」 潜在ニーズの顕在化を 日清食品チルド 伊地知稔彦社長

「今秋冬は『簡便』『個食』『完結』という“3K”の商品戦略を深耕していく」。冷し中華を中心とする春夏商品が苦戦、チルド麺市場が低迷するなか、日清食品チルドも上期、前年実績を追いかける展開となっている。市場環境は厳しく、下期も予断を許さないが、日清食品チルドは秋冬市場に向け「まぜ麺の匠 ゆでずにレンジで時短麺」「日清のどん兵衛 サッとお鍋で時短麺」や、湯切り不要で具材付きの完結型商品「日清のラーメン屋さん plus」など現代ニーズを踏まえた新商品を提案する。「潜在ニーズの顕在化はわれわれのミッション」と語る伊地知稔彦日清食品チルド社長に、今期のチルド市場の概況、下期以降の同社の取り組みなどについて話を聞いた。

「即食」で時短ニーズ対応

(7月末になり)遅ればせながら夏がやってきたという感じだが、夏に売れるべき商品が今年は異常に厳しい状況だ。チルド麺市場の第1四半期は前年比約3%減。うち冷し中華は前期比約8%減。冷し中華は昨年好調だっただけに、今期はまったく裏返し。売上げボリュームの大きい7月が入ってくるともっと厳しい数字となり、2ケタ減もあり得る。食数別では3食ものが激減し、1食ものが堅調という流れが続いている。世帯構成員の減少が市場に影響を与えている状況だ。メニューごとの傾向も同様。今期のチルド麺市場は低調と言わざるをえず、業界全体として前半戦は厳しい着地になるだろう。

そうした状況下、弊社の中で比較的好調だったのが、ラーメンの主力である「行列のできる店のラーメン」シリーズ、簡便志向を受けた「フライパンひとつで」シリーズなど。「つけ麺の達人」も、春先に麺の増量キャンペーンを実施したことなどにより好調だ。冷夏の影響で「日清のそのまんま麺」は計画を下回っているが、今春発売した新商品なので純増となっている。

今秋冬については、「簡便」「個食」「完結」という3Kの商品戦略を深耕していく。われわれは「即食=時短」ととらえている。「そのまま食べる」「ものすごく短い調理時間の中で食べられる」とか、「即食」「時短」のような方向の商品が脚光を浴びている。「時短」コンセプトの商品が今後のわれわれのコアになると考えている。簡便性の中でも「時短」をテーマにおいた商品開発を進めていく。

一方の「個食」。われわれは「個食」商品を2年くらい販売してきたが、今秋はさらに進化させ、より個食としての価値を高めた商品を投入する。単身世帯が増えるなか、個食でありながら、より食材を必要としない完結型の商品を新発売する。現在、チルド麺カテゴリーは低迷しているが、まだまだ成長分野があるはず。新たな市場を開拓する。あるいは、お客さまが潜在的にお持ちのニーズをどれだけ顕在化できるかがわれわれのミッションと考えている。